2025年07月2日

仮想通貨/暗号資産

【仮想通貨を売らずに現金化】話題の「仮想通貨担保ローン」と税金の注意点を解説

この記事の監修者

村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一

大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。

仮想通貨を売却せず、しかも税金を支払うことなく現金を手にする、そんな「夢のようなサービス」が現実になっています。それが「仮想通貨(暗号資産)担保ローン」です。

本記事では、注目を集める仮想通貨担保ローンの仕組みやメリット・デメリット、そして見落としがちな税金リスクについて、税理士の視点からわかりやすく解説します。

仮想通貨担保ローンとは?

仮想通貨担保ローンとは、仮想通貨を担保として預け入れ、その価値を元に現金を借りるサービスです。
担保として仮想通貨を差し出すだけなので、保有している通貨を売却せずに現金を得ることができます。

たとえば、保有しているビットコインやイーサリアムを預け入れることで、日本円の融資を受ける仕組みです。

仮想通貨担保ローンの特徴

✔ 売却せずに現金化

担保にするだけなので保有仮想通貨を売却しません。そのため、税金が発生しないのが基本です。

✔ 審査が早い

銀行ローンと異なり、担保評価は自動化されているケースが多く、非常にスピーディに融資可能額が算出できます。

✔ 主要コインに対応

ビットコインに限らず、イーサリアム・USDT・XRP・SOLなど、主要な仮想通貨が担保対象になっているケースがあります

✔ 利息と期間

担保ローンで資金を借りている場合は、その期間や担保設定の仮想通貨の種類によって利息が発生します。おおよそですが、年利で5~10%程度の利率となります。

 

仮想通貨担保ローンのメリット

  1. 税金が発生しにくい
     担保設定は売却ではないため、基本的に税金は発生しません。

  2. ガチホの強制力
     担保設定中は自由に売却できないため、強制的に保有を継続(=ガチホ)できます。

  3. 審査が簡略・スピーディ
     仮想通貨の保有量と価格で融資額が即時判定されるため、銀行よりも審査がスムーズです。

注意すべきデメリット

  1. 当然、借金です
     融資なので、返済義務あり。満期までに元本+利息を返さなければなりません。

  2. 利息が発生
     期間中は利息が毎月発生します。高利率になりやすいので、事前に利息をシミュレーションするのが良いでしょう。

  3. 自由に使えない
     担保中はその仮想通貨を売却・ステーキング・運用することはできません

  4. 担保掛け目の存在
     担保に対して借りられる金額には上限があります(例:ビットコインの担保掛け目40% → 1BTC=1,500万円なら600万円まで借入可能)

税金に関する重要なポイント

● 担保設定自体では課税されない

担保にするだけであれば、「譲渡」にはあたらず、課税されないのが原則です。
これは株式・不動産を担保にする場合と同様の扱いです。

● ただし返済不能で担保が没収された場合は課税対象に!

借りた現金を返済できなかった場合、担保として預けた仮想通貨が処分されます。
このとき、実質的に借金が免除される=利益が発生したとみなされ、所得税の課税対象となります。ですが、実際には担保設定している仮想通貨が処分され、譲渡することになるため、譲渡損失が生じます。そのため、譲渡損失と借金免除の利益とで相殺がかかります。

● ブロックチェーン上の記録には注意

第三者から見ると、「仮想通貨を日本円に交換した」ように見える場合があります。
税務署に誤解されないよう、借入契約書や返済計画書などの資料をしっかり保管することが重要です。

今後の制度変更リスクについて

仮想通貨担保ローンはまだ新しい分野です。現時点では課税されないとされる担保設定行為も、将来の国税庁の見解変更(FAQ改定等)によって方針が変わる可能性があります。

現状では「利確とはみなされない」というのが税務上の通説ですが、利用者としては常に情報のアップデートが必要です。

まとめ:使い方次第で有効な資金調達手段に!

仮想通貨担保ローンは、

  • 売らずに現金化

  • 税金も回避できる可能性

  • 審査がスピーディ

といった利点を持つ一方で、返済義務や担保喪失時の課税リスクといった注意点も存在します。

メリットとデメリットをしっかり理解し、「税金がかからないからラッキー」とだけ捉えるのではなく、適切な管理と記録保全を行いながら活用していきましょう。

 

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