仮想通貨を少しずつ利確する際の税金の計算方法とメリット・デメリット
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
2025年10月16日
仮想通貨/暗号資産
この記事の監修者
村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
近年、仮想通貨投資の中でも注目を集めているのが「ステーキング(staking)」です。
保有しているだけで報酬を得られる仕組みとして人気を集めていますが、
実はこのステーキング報酬には税金がかかることをご存知でしょうか?
この記事では、
目次
ステーキングとは、保有する仮想通貨をネットワークに預けて(ステークして)ブロック生成などに貢献し、その見返りとして報酬を得る仕組みのことです。
簡単に言えば「仮想通貨の定期預金」のようなものです。
この仕組みは主に「Proof of Stake(PoS)」というアルゴリズムを採用する仮想通貨で利用されています。
代表的な銘柄には以下のようなものがあります。
ステーキングのメリットは、トレードをしなくても報酬が得られる点です。
さらに、年利5~10%前後の利回りを狙えるケースもあり、一般の定期預金より利率が良く、長期保有派の投資家に人気です。
一方で、デメリットも存在します。
たとえば、ステーキング中は通貨を動かせないため、売却のタイミングを逃してしまうリスクや、解除(アンステーク)までに時間がかかる点です。さらに、ステーキングでもらえる報酬は原則として仮想通貨のため、もらえる報酬の仮想通貨の時価が下落するリスクもあります。
ステーキングで得た報酬は、原則として「雑所得」に分類され、総合課税の対象となります。
したがって、所得税と住民税を合わせて15~55%の税率が適用されることになります。
ステーキング報酬は「受け取った時点」で課税されます。
「まだ日本円に換金していないから税金はかからない」と誤解している人が多いですが、これは間違いです。
報酬を受け取った瞬間に経済的利益が確定しているため、その時点で課税対象となります。
計算の基本は、報酬を受け取った時点の時価で円換算することです。
➡︎ 課税対象額は「50万円」になります。
この50万円が「雑所得」として課税され、他の所得と合算して総合課税の対象になります。
ステーキング報酬にも、必要経費を差し引くことが可能です。
たとえば、以下のような費用が対象になります。
これらを差し引いた純利益が最終的な課税対象額となります。
なお、PCやスマホ、通信費、電気代については、「仮想通貨トレードのために使われた部分」が対象となります。
トレードもしつつ、私用にも利用している場合は、按分計算が必要となります。
利確していなくても、報酬を受け取った時点で課税対象になります。
確定申告時には、報酬の受け取り履歴やステーキング状況の記録が必要です。
取引所からダウンロードできる履歴や、受け取り時点の仮想通貨の時価などをしっかり保存しておきましょう。
BinanceやBitgetなどの海外取引所やDEX(分散型取引所)でステーキングを行っている場合でも、日本の居住者である限り課税対象になります。
「海外だから申告しなくていい」は通用しません。
仮想通貨の税務は非常に複雑で、誤った申告をすると追徴課税のリスクもあります。
正確な税額計算や節税を行うためには、暗号資産に詳しい税理士に相談することが最も確実です。
村上裕一公認会計士事務所では、Web3領域(暗号資産・NFT・BCG)に特化した税務サポートを行っています。
これまで500件以上の相談実績があり、個人投資家から法人まで幅広く対応しています。
無料相談はLINEからお気軽にどうぞ。
ステーキングは魅力的な投資手法ですが、税金の仕組みを理解せずに放置すると、後で大きなリスクを抱えることになります。
早めに対策を取り、安心して仮想通貨投資を続けましょう。
当記事のコンテンツ・情報について、正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等は、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。