仮想通貨を少しずつ利確する際の税金の計算方法とメリット・デメリット
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
2024年06月9日
仮想通貨/暗号資産
この記事の監修者
村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
今回はDMMからビットコインが流出したニュースについて、その経緯と税金の処理がどうなるかについて、詳しく解説します。
DMMビットコインのアナウンスによると、2024年5月31日に同社のウォレットから4502.9BTC(約482億円相当)が不正に流出しました。被害に遭った顧客のビットコインは、グループ会社からの支援により全額保証される予定です。また、再発防止のためのサービス利用制限が実施されています。
DMMは、仮想通貨の不正流出を受けて迅速な対応を行い、顧客に保証を約束しています。この事件は、仮想通貨のセキュリティ対策の重要性を再確認させるものとなりました。今後もDMMは、安全なサービス提供に努めることを約束しています。
ビットコインが流出した場合、税務上どのように扱われるのかについて、国税庁のタックスアンサーを参考にして詳しく解説します。今回のケースでは、流出したビットコインが日本円で補填される場合と仮想通貨で補填される場合の2つのシナリオを考える必要があります。
流出したビットコインが日本円で補填される場合、これは強制的に利確(仮想通貨を利益として確定)されたものと見なされます。具体的には、以下のような流れで税金が計算されます。
例えば、100万円で購入したビットコインが流出し、その補てんとして時価相当額である150万円を受け取るの場合、補てんとして受け取る150万円が収入金額となり、100万円が取得価格となります。この差額である50万円が利益となり、この利益が雑所得として課税対象となります。
次に、流出したビットコインが同等の仮想通貨で補填される場合についてです。この場合、実質的には資産の移動がないと見なされます。以下のように処理されます。
つまり、補填されたビットコインが元のビットコインと同じ数量であれば、資産が実質的に動いていないため、課税対象にはなりません。この場合、納税者は特に追加の税務処理を行う必要がなく、補填前と同じ状況が継続されることになると考えられます。
ただし、こちらについては、DMMビットコインの取引履歴上、どのように扱われるか、そもそも取引履歴に失ったビットコインと補てんされるビットコインが表記されてくるのかが不明です。例えばDMMビットコインの取引履歴にてビットコインのマイナスと、補填されるビットコインの枚数がプラスで表示されるのであれば、損益計算ツール上で自動で売買として計算される可能性があります。今後のDMMビットコインからのアナウンスを待った上で慎重に検討する必要があります。
留意点としては、実際に補填される際に具体的な形態や条件によって税務処理が異なる場合があることです。例えば、補填されるビットコインの数量が異なる場合や、補填が遅れて価値が変動する場合など、様々なシナリオが考えられます。このため、個々のケースに応じた正確な判断が求められます。
ハッキングされたビットコインがどこに流れるかというと、過去の報告によれば北朝鮮のハッカー集団が関与している可能性が高いとされています。盗まれた資産はミサイルや兵器の開発資金に使われているという報告もあり、非常に深刻な問題となっています。
この問題は、国際的な仮想通貨のセキュリティ対策の強化を促すものとなっています。各国の政府や企業は、仮想通貨のセキュリティ対策をさらに強化し、ハッキングによる被害を未然に防ぐための取り組みを進めています。
– DMMから約482億円相当のビットコインが流出。
– 日本円で補填された場合は、強制的に利確されるため、損益計算と確定申告が必要。
– 仮想通貨で補填された場合は、特に税務上の処理は不要。
– ハッキングされた資産は北朝鮮の開発資金に使われている可能性が高い。
ビットコインの流出事件は、仮想通貨のセキュリティと税務に関する重要な教訓をとなります。今後、どのようにして仮想通貨取引所はその資産を守っていくのでしょうか、それが非常に気になりますね。
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