仮想通貨を少しずつ利確する際の税金の計算方法とメリット・デメリット
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
2024年06月11日
仮想通貨/暗号資産
この記事の監修者
村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
今回は、仮想通貨の税金について詳しく解説していきたいと思います。よく「仮想通貨の税金は高い」「利益の半分以上持っていかれる」なんて話を耳にしますよね。でも、実際のところはどうなのでしょうか?今回は、年収と仮想通貨の利益に基づいて、税金のシミュレーションを行ってみました。いわゆる億り人のような、利益が1億円以上出ているような方を除くと、意外とそこまで税金は高くないこととなりますので、参考までに見ていただければと思います。
目次
まず、シミュレーションの前提条件を3つ確認しておきましょう。
では、早速ケースごとに見ていきましょう!
このケースでは、仮想通貨の利益が年間50万円、つまり月々4万円ほどの利益が出ているとします。
– 仮想通貨なしの場合の税金:16.3万円
– 仮想通貨ありの場合の税金:23.8万円
仮想通貨ありの場合、16.3万円は給与天引きで納税済みなので、差額の7.5万円が仮想通貨の税金となります。利益50万円に対して税金が7.5万円なので、税率は15%程度。意外と高くないですね!
次に、年収500万円で仮想通貨の利益が年間100万円、つまり月々8〜10万円の利益が出ているケースです。
– 仮想通貨なしの場合の税金:36.8万円
– 仮想通貨ありの場合の税金:57.1万円
仮想通貨の税金は、57.1万円から36.8万円を引いた20.3万円。利益100万円に対して税率は約20%となります。これなら、株式の分離課税と同じ水準ですね。
最後は、ちょっと極端なケースです。年収800万円の会社員が、仮想通貨で一気に1億円の利益を出してしまったとします。
– 仮想通貨なしの場合の税金:89.18万円
– 仮想通貨ありの場合の税金:5263.88万円
なんと、仮想通貨の税金は5173万円!税率にして51.7%にもなります。これはかなりの高税率ですね。ここまで来ると、仮想通貨で稼いだ利益の半分は税金という状態になります。
以上の結果をまとめると、次のようになります。
– 年収300万円、仮想通貨の利益50万円の場合:税率15%
– 年収500万円、仮想通貨の利益100万円の場合:税率20.3%
– 年収800万円、仮想通貨の利益1億円の場合:税率51.7%
つまり、仮想通貨の利益が多ければ多いほど、税金の負担が重くなる(これが、総合課税)ということですね。ただ、利益が100万円程度なら、税率は20%前後とそこまで高くありません。一方で、利益が1億円を超えるようなケースでは、覚悟を決めて税金を納める必要があります。
仮想通貨の税金については、利益の半分以上持っていかれるというのは必ずしも正しくないことが分かりました。とはいえ、利益が大きくなればなるほど税率も上がっていくので、しっかりと計算して納税の準備をしておくことが大切です。
仮想通貨の税務は、ケースバイケースで複雑なところもあります。少しでも不安があれば、専門家に相談するのもいいかもしれません。税金は国民の義務ですから、きちんと納めつつ、賢く運用していきたいものですね!
免責事項
当記事のコンテンツ・情報について、正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等は、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。