2025年12月20日

仮想通貨/暗号資産

ついに「申告分離課税」へ王手!?令和8年度税制改正大綱より暗号資産(仮想通貨)(仮想通貨)税制の徹底解説

この記事の監修者

村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一

大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。

いよいよ分離課税に王手です!今回は、暗号資産(仮想通貨)投資家のみなさんが長年待ち望んでいた「税制改正」について、2025年12月19日に発表された自由民主党・日本維新の会の「令和8年度税制改正大綱」をもとに解説します。

これまで最大55%(所得税+住民税)の総合課税が適用されていた暗号資産(仮想通貨)ですが、ついに株式やFXと同様の「20%の申告分離課税」への移行方針が示されました。

以下に、大綱から読み取れる具体的な変更点と条件を分かりやすくまとめます。

1. 最大の変更点:一律20%の「申告分離課税」へ

これまで暗号資産(仮想通貨)の利益は「雑所得」として総合課税の対象でしたが、今回の改正大綱では、金融商品取引法等の改正を前提に、以下の課税方式へ変更することが明記されました。

  • 課税方式: 分離課税
  • 税率: 一律 20%(所得税15%+住民税5%)

これにより、給与所得など他の所得とは切り離して税額が計算されるため、どれだけ利益が出ても税率は約20%に固定されます。特に高額な利益を得ている投資家にとっては、大幅な減税効果となります。

2. 損失が出ても安心!「3年間の繰越控除」導入

もう一つの大きな変更点は、損失の繰越控除です。これまでは、その年に出た損失は翌年以降に持ち越すことができず、翌年に大きな利益が出ても相殺できませんでした。

  • 改正内容: 3年間の繰越控除が可能
  • メリット: ある年に大きな損失を出しても、翌年以降3年間の利益と相殺(損益通算)できるため、税負担を平準化できます。

3. 対象となる取引範囲:現物のみならずデリバティブも

今回の改正は、現物取引だけではありません。以下の取引も分離課税の対象となる方針です。

  • 現物取引 
  • デリバティブ取引(FXや先物など) 

これにより、暗号資産(仮想通貨)市場全体の活性化や、より多様な投資手段の普及が期待されます。

4.ただし、厳しい条件が前提 

期待されている暗号資産(仮想通貨)の分離課税ですが、すべての暗号資産(仮想通貨)が対象ではありません。分離課税と引き換えに、以下の条件が適用されることとなります。

① 取引情報の報告義務化

分離課税導入の裏側として、適正な課税を確保するための仕組みも導入されます。

  • 暗号資産(仮想通貨)交換業者(取引所など)は、利用者の氏名・住所・マイナンバー(個人番号)・取引内容などを記載した報告書を、翌年1月31日までに税務署長に提出することが義務付けられます 。

これにより、税務署は投資家の取引状況をより正確に把握することとなり、暗号資産(仮想通貨)の脱税はより厳しくなると予想されます。

② 対象は「特定暗号資産に限定」

大綱では「特定暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産(仮想通貨)等に限る)」という表現が使われています。

特定暗号資産とは、金融商品取引法での暗号資産(仮想通貨)となる見込みですが、具体的な範囲については現状は不明です。

おそらくですが、国内の仮想通貨取引所で扱われている銘柄は特定暗号資産に該当すると思われますが、海外取引所のみで扱われているマイナーな銘柄やDEX(ウォレット)でのみ扱われている仮想通貨などの扱いについては、特定暗号資産に該当しないこととなる見込みです。

結果的に、海外取引所やDEX(ウォレット)については、分離課税が適用されず、総合課税のままとなる見込みです。

5.雑所得から譲渡所得へ

大綱では、「暗号資産の譲渡等による譲渡所得等」と記載があり、暗号資産(仮想通貨)の売買利益は雑所得ではなく譲渡所得へ変更される見込みです。

ただし、譲渡所得の特例(50万円以下は税金がかからない、長期保有による譲渡所得のメリットなど)は受けることができないと明記されています。

国内の仮想通貨取引所:譲渡所得の分離課税

海外取引所、DEX(ウォレット):譲渡所得の総合課税

となる見込みですが、上記の譲渡所得の特例を受けることができないために、海外取引所やDEX(ウォレット)は実質、雑所得と同じ扱いになる見込みです。

譲渡所得に変更することで、相続税110%問題が解消される可能性があります。取得費加算の特例を適用できるためです。

こちらについては、続報を待ちたいところです。

6.いつから適用されるのか?(適用開始時期)

ここが最も注意すべき点です。「令和8年(2026年)からすぐに適用」というわけではありません。

大綱には以下の条件と時期が記載されています。

  1. 前提条件: 投資家保護や健全な取引環境構築のための法整備(金融商品取引法等の改正)が行われること 。
  2. 適用開始日: 金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日

つまり、今後国会で関連法案が可決・成立し、それが施行された翌年からのスタートとなります。

これは私の私見ですが、2026年中に暗号資産(仮想通貨)の金融商品取引法への移行が決定、2027年に金融商品取引法が施行。そしてその翌年である2028年1月から暗号資産(仮想通貨)の分離課税が導入されるのではないかと思っています。

まとめ:暗号資産(仮想通貨)税制の比較表

項目

現行制度

改正案(将来)

所得区分

雑所得(総合課税)

譲渡所得等(申告分離課税) 

税率

15%~最大55%

(復興特別所得税除く)

一律20%

(復興特別所得税除く)

損失の繰越

不可

3年間可能 

留意事項

特定暗号資産(国内取引所で許可を得た暗号資産)のみが分離課税

海外取引所やDEXは総合課税のまま

今回の改正方針は、日本のWeb3戦略や「貯蓄から投資へ」の流れを加速させる大きな一歩と言えます。ただし、実際に制度が開始されるまでには法改正のプロセスが必要です。

今後の国会での議論や、関連法案の進捗に引き続き注目していきましょう。

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