2025年12月5日

仮想通貨/暗号資産

暗号資産(仮想通貨)の課税タイミングはいつ?課税対象にならないタイミングも解説

この記事の監修者

村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一

大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。

近年、暗号資産(仮想通貨)取引が大きな注目を集めています。多くの人が暗号資産(仮想通貨)に投資し、利益を得ることを目指していますが、同時に税金についての関心も高まっています。暗号資産(仮想通貨)に関する税金は、いつ、どのようにかかるのでしょうか?本記事では、暗号資産(仮想通貨)税金のタイミングと計算方法について詳しく解説します。

暗号資産(仮想通貨)の課税対象となるタイミング

暗号資産(仮想通貨)の課税対象となるタイミングは、主に以下の6つです。

暗号資産(仮想通貨)を売却した時

暗号資産(仮想通貨)を売却して利益が発生した場合、その利益に対して課税されます。

売却時の利益は売却価額と購入価額の差額となっています。購入価額の方が高い場合は利益ではなく損失として計算されます。

ここで留意ですが、暗号資産(仮想通貨)の売却時に利益が生じるのであり、売却価額を銀行に入金したときに利益が生じるわけではありません。

利益=売却価額-購入価額(総平均法で計算)

という計算式で計算されることとなっています。

暗号資産(仮想通貨)を売却したものの、暗号資産(仮想通貨)取引所に預けているだけで、銀行口座の残高は増えていないため利益は生じていない、と考える方もいらっしゃいますが、売却した時点で利益が生じますので、気を付けましょう。

商品やサービスを暗号資産(仮想通貨)決済で購入した時

暗号資産(仮想通貨)で商品やサービスを購入した場合、その時点での暗号資産(仮想通貨)の価値と購入額との差額が利益として課税対象になります。

例えばですが、過去に1ETHを5万円で購入し、1ETHが50万円になったタイミングで、50万円相当の商品を1ETHで購入した場合、購入しただけで税金が発生します。

この場合

利益=50万円−5万円=45万円

が認識され、税金が発生することとなります。

暗号資産(仮想通貨)から暗号資産(仮想通貨)へ交換(スワップ)した時

暗号資産(仮想通貨)を他の暗号資産(仮想通貨)と交換した場合、交換時点での価値の差額が利益として課税対象になります。

例えばですが、過去に1ETHを5万円で購入し、1ETHが50万円になったタイミングで10BNBと交換した場合、利益=50万円−5万円=45万円が認識されます。

マイニング等による報酬相当の暗号資産(仮想通貨)の取得時

マイニングやステーキング、レンディングなどの暗号資産(仮想通貨)の運用によって、報酬となる暗号資産(仮想通貨)を取得した場合、取得時点での暗号資産(仮想通貨)の価値が収入として課税対象になります。

エアドロップやギブアウェイでコインを無償でもらった場合

エアドロップやギブアウェイなどによって暗号資産(仮想通貨)を取得した場合、取得時点での暗号資産(仮想通貨)の時価が収入として課税対象になります。これは、暗号資産(仮想通貨)自体が日本円に換金できる資産として扱われており、暗号資産(仮想通貨)は経済的価値のある資産として認識されているためです。所得税法上、経済的価値のある資産を取得した場合は、取得した時点で利益を認識する必要があるためです。

暗号資産(仮想通貨)FXを決済した時

暗号資産(仮想通貨)先物取引、いわゆる暗号資産(仮想通貨)FXをされている方であれば、決済時に損益が生じることとなります。決済時の損益は、暗号資産(仮想通貨)取引に関する損益として計算されることとなります。

暗号資産(仮想通貨)の課税対象とならないタイミング

一方、以下の取引では暗号資産(仮想通貨)の税金は発生しないこととなります。

日本円で暗号資産(仮想通貨)を購入しただけの場合

日本円で暗号資産(仮想通貨)を購入したのみでは、税金がかからないこととなります。

暗号資産(仮想通貨)を保有しているのみ(ガチホ)

暗号資産(仮想通貨)を他の暗号資産(仮想通貨)に交換する、暗号資産(仮想通貨)を売却するなどの行為がなければ税金はかかりません。そのために、過去に暗号資産(仮想通貨)を購入し、そのまま塩漬けにしている状態であれば、税金がかからないこととなります。

仮に1億円の含み益があったとしても、過去に購入したものをそのまま保有しているだけの状態であれば確定申告は不要となります。

ファーミングやステーキングで暗号資産(仮想通貨)をロックした場合

ファーミングやステーキングのために、暗号資産(仮想通貨)をロックするだけでは税金はかかりません。ロックすることによって報酬を受け取った場合は、その報酬相当額は受け取った時点で課税対象の利益として認識する必要がありますが、ロックするのみでは税金はかからないこととなります。

自己の取引所間の暗号資産(仮想通貨)の送金

複数の暗号資産(仮想通貨)取引所を利用している場合、自己の取引所間の暗号資産(仮想通貨)の移動は損益の対象外となります。また、メタマスクなどの自身の暗号資産(仮想通貨)ウォレットを保有している場合も同様で、自身の暗号資産(仮想通貨)取引所→自身のメタマスクへの送金は税金の対象外となります。

仮想通貨の課税タイミングのQ&A

Q. 家電量販店でビットコイン決済をして買い物をしました。税金はどうなりますか?

A.暗号資産(仮想通貨)の決済として課税タイミングです。商品を購入した時に、決済金額-ビットコインの購入価額を課税対象の利益として認識します。

Q. 取引所から自分のウォレットへ送金しました。これは課税されますか?

A.いいえ、これは自己の取引所間の移動に該当するため、税金はかかりません。

Q. 友人からビットコインの送金を受けました。これは課税されますか?

A.こちらは送金の目的次第となります。単に譲り受けたのであれば課税対象の利益となりますが、例えば一時的に友人から借りたもので、ゆくゆくは返済するという内容のものであれば課税対象外と考えます。

まとめ

暗号資産(仮想通貨)の税金は、売却時、購入時、交換時、報酬受取時などに発生します。一方、暗号資産(仮想通貨)を日本円で購入した、ガチホしているなどの場合は税金がかからないこととなります。

正しく申告・納税をするためには、損益計算が必要です。損益計算のためには、取引記録を正確に保管し、税金の計算方法を理解しておく必要があります。

暗号資産(仮想通貨)税制は変化し続けているため、専門家に相談することをおすすめします。適切な申告を行うことで、暗号資産(仮想通貨)取引を安心して行うことができるでしょう。

 

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