2025年09月11日

仮想通貨/暗号資産

仮想通貨の確定申告はいくらから?申告基準と手順を解説

この記事の監修者

村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一

大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。

仮想通貨取引が普及するにつれて、確定申告の重要性が高まっています。仮想通貨取引で利益を得た場合、所得税及び住民税の対象となり、さらに、株式と異なり、源泉徴収の仕組みがないために、一定の利益が出た場合は、投資家が自身で確定申告をしなければなりません。しかし、仮想通貨の確定申告に関して、いくらから申告が必要なのか、さらに具体的な手順については疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、仮想通貨の確定申告が必要となる基準と申告手順について詳しく解説します。

仮想通貨の確定申告が必要となるケース

仮想通貨の確定申告が必要なケースは、投資家の属性によって異なります。

ここでは、一般的なケースについて解説します。

会社員の場合

通常の会社員の場合は、年間の利益が20万円を超える場合に確定申告が必要です。

会社員であれば、年末調整を通じて確定申告が完了することとなっています。そのため基本的には別途確定申告を行う必要はありません。

ですが、仮想通貨は年末調整の対象となっていないため、仮想通貨で利益が出た場合は確定申告が必要となります。

年間20万円以上の利益が出ている場合は、確定申告が必要になります。

なお、会社員であっても、2箇所以上から給料を得ている、年収が2000万円を超えるなどの場合はそもそも年末調整の対象外になっていますので、この場合は仮想通貨の利益が1円でも出た場合は確定申告が必要となります。

なお、会社員の場合の確定申告については、下記の記事にて詳細を説明しています。

記事「仮想通貨の税金、20万円以下の利益なら申告不要ってホント?

個人事業主の場合

個人事業主やフリーランスの場合は、本業の収入と合わせて48万円以上の利益が生じていれば確定申告が必要になります。

個人事業主やフリーランスの場合は、20万円以下は申告不要という条件はありません。

個人事業主やフリーランスを含むすべての日本人には、基礎控除48万円が設定されていますので、個人事業主(フリーランス)としての収入及び仮想通貨の利益の合計が48万円を超えているのであれば、確定申告が必要となります。

専業主婦や大学生などの場合

専業主婦や大学生などの場合は、仮想通貨以外のバイト収入などと、仮想通貨の利益を含めて年間48万円以上であれば確定申告が必要となります。

専業主婦や大学生であっても、基礎控除が48万円設定されており、この基礎控除を超える利益があれば確定申告が必要となります。

仮想通貨の確定申告が不要なケース

以下の場合、仮想通貨の確定申告は不要です。

  • 年末調整を実施している会社員で利益が20万円以下の場合
  • 仮想通貨取引で損失が出た場合
  • 仮想通貨を保有しているだけで、売買、ステーキング、レンディングなど一切の取引をしていない場合

仮想通貨の利益が生じるタイミング

仮想通貨取引においては、一定のタイミングで利益が生じることとなります。

主なタイミングは

  • 仮想通貨を売却したとき
  • 仮想通貨から仮想通貨への交換をしたとき
  • 商品やサービスを仮想通貨にて決済したとき
  • マイニングやレンディング、ステーキングの報酬を得たとき

などです。

詳細は、下記の記事を参考にすると良いでしょう。

記事「仮想通貨の税金はいつかかる?押さえておくべき課税のタイミング

確定申告をしないとバレるのか?

仮想通貨取引は、通常はインターネット上で行われることとなります。

ネットでの取引だからばれないのでは?と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、仮想通貨取引は、税務署にバレてしまいます。税務署にバレると、本来の税金のみならず、延滞税や虫国加算税などの追徴課税が課されてしまいます。

税務署は、下記の情報を、納税者を通さずに入手が可能です。

  • 仮想通貨取引所の取引履歴
  • 国内の銀行の入出金明細

など

詳細は、下記の記事にて解説しています。

記事「仮想通貨は確定申告をしないといけないのか?申告漏れのリスクと簡単な手続き方法を解説

仮想通貨の計算方法

仮想通貨は、投資家が自身で計算しなければなりません。

仮想通貨は

利益=売却価額-購入価額

にて計算することとなります。

この際、購入価額を、原則として総平均法で計算することとなります。

総平均法と移動平均法での計算方法の詳細については、下記の記事にて解説しています。

記事「【仮想通貨の評価方法】総平均法 vs 移動平均法|違いと選び方を税理士が徹底解説!

仮想通貨の確定申告をする際の注意点

複数の取引所を利用している場合

複数の取引所を利用している場合は、全ての取引所の利益を合算して申告します。各取引所から取引履歴をダウンロードし、利益を計算してください。

仮想通貨取引の損失と他の所得との損益通算は可能か

仮想通貨の損失は、他の所得と損益通算はできず、給与所得や事業所得を下げることはできません。ただし、いわゆる内部通算は可能となっており、海外FX取引所の損益などの雑所得の総合課税に分類されるものであれば、仮想通貨の損失と、それらの利益とを相殺し、節税をすることができます。

仮想通貨の専門家に相談することの重要性

仮想通貨の確定申告に不安がある場合は、税理士など専門家に相談することをおすすめします。専門家に相談することで、以下のようなメリットがあります。

  • 適切な申告方法のアドバイスを受けられる
  • 必要書類の準備や確定申告書の作成を代行してもらえる
  • 税務調査への対応をサポートしてもらえる

まとめ

仮想通貨の確定申告は、仮想通貨の利益の金額、年収、職業などに応じて決まることとなります。申告の手順は、必要書類の準備、利益の計算、確定申告書の作成、e-Taxを利用したオンライン申告です。仮想通貨の確定申告は複雑なため、不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。正確な申告を行うことで、適切に税金を納め、ペナルティを回避することができます。

仮想通貨の確定申告の必要があるものの、確定申告を行わないとそれは脱税となり、税務調査が来るかもしれません。

仮想通貨の税務調査は投資家が思っている以上に綿密に見られています。

 

以上、「仮想通貨の確定申告はいくらから必要?申告基準と手順を解説」と題して、仮想通貨の確定申告に関する基準や手順について詳しく解説しました。仮想通貨取引を行う際は、確定申告の必要性を理解し、適切に申告を行うことが重要です。

 

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