仮想通貨を少しずつ利確する際の税金の計算方法とメリット・デメリット
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
2024年05月21日
仮想通貨/暗号資産
この記事の監修者
村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
仮想通貨取引が人気を集める中、その税金についての関心も高まっています。仮想通貨取引で利益が出た場合、確定申告が必要になるケースがあります。しかし、確定申告をしない人も少なくありません。
確定申告をしない場合、税務調査を受けるリスクがあるなど、様々な不利益が生じる可能性があります。この記事では、仮想通貨の確定申告をしない場合のリスクと対処法について詳しく解説していきます。
目次
まず、仮想通貨取引と確定申告の基本について理解しておきましょう。
仮想通貨取引で利益が発生した場合は、確定申告が必要です。
確定申告を通じて、所得税及び住民税を申告・納税する必要があります。
確定申告の期限は、毎年2月16日から3月15日までです。申告方法は、税務署に直接出向く方法と、e-Taxを利用したオンライン申告の2種類があります。
仮想通貨で一定以上の利益が出て、確定申告の義務があるものの、確定申告をしない場合、以下のようなリスクがあります。
国税庁は、仮想通貨取引で利益を出しているにも関わらず、確定申告をしていない人を特定するために、取引所に顧客情報の提供を求めています。その情報をベースに、無申告者を分析しています。
そのため、確定申告をしていない人は、税務調査を受ける可能性があります。税務調査では、仮想通貨取引の履歴や収支を詳しく確認されるため、脱税が発覚するリスクが高くなります。
確定申告をしていない所得が発覚した場合、本来納めるべき税金に加えて、延滞税、無申告加算税などの追徴課税が課されます。延滞税は、納付すべき税額に対して一定の利率が上乗せされるため、多額の税金を納める必要が出てくる可能性があります。
また、悪意を持って無申告をしていた場合などは、重加算税という非常に大きい金額の税金が追加で課される可能性があります。
いずれも、無申告が税務署にばれてしまうと発生するペナルティの税金となっております。しっかりと申告納税することで防げるものとなっているので、こういったペナルティの税金を避けるためにも確定申告をしっかりと実施したほうが結果的には損失が少なくて済むこととなります。
確定申告をしない理由には、以下のようなものがあります。
仮想通貨取引を複数の取引所で行っていたり、複数のウォレットを保有して複数のチェーンで取引を行っていた場合、損益計算のための取引履歴の把握が困難になることがあります。この場合であっても、損益計算ツールを活用することや、税理士に相談することを通じて、しっかりと損益計算や確定申告を進めていくことをおすすめします。
普段確定申告をやったことがない方にとっては特に、確定申告の手続きが面倒だと感じる人もいるでしょう。しかし、現在は、e-taxなど確定申告を支援するツールが数多く存在します。これらのツールをしっかりと活用することで、確定申告を効率的に進めることができます。
税金を払いたくないという気持ちは誰しもあるでしょう。しかし、税金を払わないことは法律違反であり、脱税となるリスクがあります。脱税はコスパ最悪とまで言われております。確定申告をしない場合は、合法的な節税対策を検討することをおすすめします。
以下のようなケースでは、そもそも確定申告を実施する義務がないために、確定申告をしなくても問題ありません。
仮想通貨取引で損失が出ている場合は、確定申告をする必要はありません。ただし、仮想通貨以外の雑所得がある場合は、その所得と仮想通貨の損失を相殺し、税金を下げることができるので、確定申告をしておくことをおすすめします。
通常の会社員であれば、年間の副業収入20万円以下は確定申告をしなくてもよいこととなっております。これは仮想通貨も含まれており、仮想通貨を含む副業の利益合計が20万円以下であれば確定申告は不要です。
仮想通貨を保有しているものの、売却や交換等は一切しておらず、全く動かしていないのであれば利益もしくは損失が生じていないこととなるため、確定申告は不要となります。
なお、ステーキングについては、ステーキング報酬を受け取った時点で利益として認識する必要があるので、一切動かしていないものの、ステーキング報酬だけ受け取っていた場合はしっかりと利益の金額を計算し、利益が一定額以上あるのであれば確定申告が必要になるので留意が必要です。
また、エアドロップについても同様に、獲得時に時価相当額を利益として計算する必要があるので、エアドロップもしっかりと計算しなければなりません。
確定申告を円滑に進めるためのノウハウをご紹介します。
仮想通貨取引を行う際は、取引記録を日々つけることが重要です。取引記録があれば、確定申告の際に必要な情報を簡単に集計することができます。
クリプタクトやG-tax、クリプトリンクなどの損益計算ツールを活用すれば、損益計算にかける手間や時間を大きく削減することができるでしょう。損益計算をスムーズに実行することで、その後の確定申告の手続きもスムーズに実行することができます。
仮想通貨取引の損益計算及び確定申告は、少し複雑です。そのため、税理士に相談することをおすすめします。税理士に相談することで、適切な確定申告を行うことができます。
今回は、仮想通貨の確定申告をしない場合のリスクと対処法について解説しました。
確定申告をしないことで、税務調査を受けるリスクや、追徴課税と延滞税を納めるリスクがあります。また、脱税となるケースもあるため、注意が必要です。
一方で、仮想通貨取引で損失が出ている場合や、利益が少額な場合は、確定申告をしなくても問題ない場合があります。
確定申告を円滑に進めるためには、取引記録を日々つけることや、確定申告に役立つツールを活用すること、税理士に相談することなどが有効です。
適切に税金を納付することは、健全な資産運用につながります。仮想通貨取引を行う際は、確定申告の重要性を理解し、適切に対応することが求められます。
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