仮想通貨を少しずつ利確する際の税金の計算方法とメリット・デメリット
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
2024年05月5日
仮想通貨/暗号資産
この記事の監修者
村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
近年、人気の副業として仮想通貨トレードがあります。仮想通貨の取引で得た収入は、適切に確定申告を行う必要があります。しかし、仮想通貨の確定申告方法について理解している人は少ないのが現状です。このブログでは、仮想通貨の副業収入に関する確定申告の基本的な情報を提供し、適切な申告方法を解説します。
仮想通貨の副業収入は、税法上、原則として雑所得に分類されます。雑所得とは、給与所得、事業所得、不動産所得などの他の所得区分に当てはまらない所得のことを指します。仮想通貨による副業収入が雑所得に該当する理由は、仮想通貨の売買による収益が、継続的な事業活動ではなく、不定期な取引によって得られるためです。
仮想通貨取引は事業所得として計上することも可能ですが、一定の要件が求められており、その要件の一つに「社会通念上の判断」があります。副業収入はこの社会通念上の判断を満たさない可能性があるために、仮想通貨の副業収入は雑所得に該当することとなります。
仮想通貨収入を事業所得として計上する要検討については、下記の記事をご参照ください。
仮想通貨の副業収入の計算方法は、売却価格から取得価格を差し引いた金額となります。例えば、100万円で仮想通貨を購入し、120万円で売却した場合、利益金額は20万円になります。ただし、取引手数料などの経費がある場合は、収入金額から差し引くことができます。経費として計上できるのは、取引手数料、専用のパソコンや水道光熱費の利用部分のうち仮想通貨投資に関する部分などです。
確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの期間に行います。申告方法は、税務署に直接出向くか、e-Taxを利用してオンラインで行うことができます。確定申告に必要な書類は、収入と経費を証明する書類(取引履歴、売買報告書など)、個人番号カード(マイナンバーカード)、本人確認書類などです。申告書には、収入金額、経費、所得金額などを記載します。
なお、仮想通貨投資に関する収入と経費を証明する書類は、確定申告書に添付する必要はなく、あくまでも書類として手元に保管しておく必要があるのみです。
仮想通貨の取引で損失が出た場合、雑所得の損失として申告することができます。ただし、他の所得との損益通算や繰越控除は認められていません。申告することで税金が発生しないために、仮想通貨投資が赤字であれば申告する必要すらないこととなります。ですが、仮想通貨と同じ雑所得内の損益は相殺することができます。例えばですが、メルカリでの継続的な転売収入で利益を得ている場合は、そのメルカリの利益と仮想通貨の損失とを相殺することができます。利益が相殺された結果、税金が減ることとなるため、仮想通貨の損失を申告することで節税につながる面があるのです。
複数の取引所で仮想通貨を売買した場合は、全ての取引所の取引履歴を集計して、収入金額と経費を計算する必要があります。これは、国内の仮想通貨取引所のみならず、海外の仮想通貨取引所も計算の対象になります。また、メタマスクなどのウォレットを自身で作成し、DEX(分散型取引所)にてトレードを行った場合も計算の対象になります。
メタマスクの計算については、下記の記事をご参照ください
ブログ「メタマスク(Metamask)は税金計算が必要?具体的なやり方を税理士が解説」
仮想通貨投資の損益計算のために利用した仮想通貨の取引履歴や報告書については、確定申告書にて提出する義務はありませんが、手元に保管しておく義務はあります。税務調査に備えて、取引履歴や売買報告書などの記録は、少なくとも5年間は保管しておくことが重要です。
仮想通貨の副業収入は、適切に確定申告を行うことが重要です。正しい申告を行わない場合、税務署から指摘を受けるだけでなく、ペナルティを課せられる可能性があります。仮想通貨の確定申告方法について不明な点がある場合は、税理士に相談することをお勧めします。また、国税庁のホームページや税務署に問い合わせることで、詳細な情報を得ることができます。
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