仮想通貨を少しずつ利確する際の税金の計算方法とメリット・デメリット
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
2024年05月28日
仮想通貨/暗号資産
この記事の監修者
村上裕一公認会計事務所/代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
仮想通貨は近年、その価値や利用範囲が急速に拡大しており、多くの企業や個人が関心を寄せています。その中でも、仮想通貨を現物出資として活用する方法が注目されています。本記事では、仮想通貨の現物出資とは何か、そのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
現物出資とは、現金以外の資産(不動産、株式、特許権など)を資本金として提供することを指します。仮想通貨の現物出資もこの一種で、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの仮想通貨を企業の資本金として出資することを指します。
仮想通貨の現物出資も可能となっており、保有している仮想通貨を現物出資し、法人を設立することが出来ます。
例えば、スタートアップ企業が新たな事業を開始する際に、投資家が現金の代わりに仮想通貨を提供するケースが増えています。
通常、法人を設立する際には資本金として一定金額の現金が必要となります。現物出資することで、現在保有している仮想通貨が資本金として計上されることとなるため、資本金としての資金を節約することが出来ます。
仮想通貨を保有したまま相続税が発生すると、最大税率が55%になっています。さらに、相続した仮想通貨を売却するとこちらにも最大税率55%がかかってくることとなります。仮想通貨の相続は、取得費加算の特例を適用することが出来ないために、合計で最大110%の税率がかかることとなっています。現物出資をすることで、仮想通貨の相続税をうまく避けることが出来る場合があります。
仮想通貨を現物出資する場合、仮想通貨の利確として時価で譲渡処理がされます。つまり、この時点で所得税及び住民税がかかってくることとなります。例えば、10年前に100万円で購入したビットコイン1枚を現物出資した場合、現物出資する際のビットコインの価格が1,000万円だとしたら、差額の900万円が利益として認識され、確定申告を実施しなければなりません。
現物出資の場合ですが、原則として財産の評価に関して「裁判所の選任した検査役」による調査を受ける必要があります(会社法207条、208条)。これは、現物出資された資産が本当に価値のある資産なのかどうかを確認するために必須の手続きとなっています。そのため通常の法人設立よりも登記などに時間や労力がかかることがあります。
仮想通貨の現物出資は、新たな資産運用の手段として注目されていますが、慎重な判断が求められます。法的な側面やリスク管理を十分に理解し、適切な準備を行うことが重要です。
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