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村上裕一公認会計士事務所MURAKAMI CPA OFFICE 見積相談

2026年08月14日

仮想通貨/暗号資産

仮想通貨の税金はバレない?税務署に把握される仕組みと発覚するきっかけ

この記事の執筆・監修者

公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一

大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。

「仮想通貨の利益は申告しなくてもバレないのでは」——確定申告の時期が近づくと必ず増えるご相談です。結論から言うと、暗号資産(仮想通貨)の取引が税務署に必ずバレます。早かれ遅かれバレてしまいます。国内取引所の情報は税務当局が把握できる仕組みになっており、ブロックチェーン上の記録は消えず、実際に仮想通貨の申告漏れに対する税務調査は年々増えています。

この記事では、「どうやってバレるのか」という発覚の仕組みに絞って、税務署が仮想通貨の取引を把握するルート、税務調査の実施状況(国税庁の公表データ)、会社に副業の利益が知られる仕組みまでを解説します。仮想通貨の税金の全体像は仮想通貨の税金ガイドをご覧ください。

仮想通貨の税金が「バレない」は本当か|結論

まず前提の整理です。仮想通貨の売却・交換・決済などで生じた利益は、個人の場合、原則として雑所得(総合課税)として確定申告の対象です(事業として継続的・組織的に行っている場合は事業所得等として個別判断になります)。

そのうえで「申告しなければバレないのか」に対する実務側からの答えは、次の4点に集約されます。

  1. 国内取引所を使った取引は、税務当局が把握できる——取引所は本人確認(KYC)を経て口座を開設しており、法定調書の提出制度や税務署からの照会などを通じて、誰がいくら取引したかを税務当局が確認できる仕組みがあります。
  2. 記録は消えない——ブロックチェーン上の取引記録は公開されたまま残り続けます。銀行口座への入出金履歴も同様です。「今年バレなかった」は「把握されていない」ではなく、まだ着手されていないだけの可能性があります。
  3. 調査は増えている——国税庁の公表データでは、仮想通貨関連の税務調査の件数・1件当たりの申告漏れ額はともに高水準で推移しています(後述)。
  4. 海外取引所はCARF制度が開始--海外の仮想通貨取引所は、CARFという制度が導入されています。これは、海外の税務署が日本の税務署と連携して、海外の仮想通貨取引所の情報を交換する制度です。

「バレるかどうか」に賭けるには分の悪い状況です——これが結論です。

仮想通貨の利益が税務署にバレる仕組み|6つのルート

税務署が仮想通貨の取引・利益を把握する主なルートを整理します。

ルート 内容
① 国内取引所からの情報 口座開設時の本人確認情報に加え、法定調書の提出制度や税務署からの照会を通じて取引内容が把握される
② 税務署の情報照会制度 高額・悪質な無申告が見込まれる場合、税務署が事業者(取引所を含む)に取引情報の報告を求める制度が整備されている
③ 銀行口座の資金移動 取引所と銀行口座の間の入出金履歴。多額の入金があるのに申告がなければ不自然さが際立つ
④ ブロックチェーンの公開記録 取引記録は誰でも参照でき、消せない。分析ツールによるアドレスの追跡も行われる
⑤ 国際的な情報交換の整備 暗号資産の取引情報を各国の税務当局間で自動的に交換する枠組み(CARF)の整備が国内外で進んでおり、海外取引所の情報も共有される方向にある
⑥口コミ・タレコミ 意外と多いケースですが、口コミやタレコミでの脱税です。居酒屋での会話なども聞かれている可能性があり、それが税務署に通報されることがあります

ポイントは、これらが単独ではなく組み合わせで機能することです。たとえば③の銀行入金をきっかけに、①・②で取引所の履歴を確認し、④で申告内容との整合を検証する——という流れです。取引の入口(日本円の入金)と出口(日本円への出金)は必ずどこかに記録が残るため、途中の取引だけを隠すことに意味はありません。

海外取引所やDeFiならバレない?

「国内取引所は把握されるとしても、海外取引所やDeFiなら分からないのでは」というご質問も多く受けます。ここも答えは同じです。

  • 入出金の痕跡は国内に残る——海外取引所を使う場合も、日本円の入金は国内の銀行や国内取引所を経由するのが通常です。この資金移動の記録を見れば、仮想通貨の取引をしていることは分かります。
  • ブロックチェーン上の記録は国境と無関係——DeFiやウォレット間の移動も、オンチェーンの記録として公開され続けます。国内取引所で本人確認済みのアドレスから資金が流れていれば、その先の追跡は技術的に可能です。
  • 国際的な情報交換体制への移行——前述のとおり、暗号資産取引情報の国際的な自動的情報交換(CARF)の法整備が進んでおり、海外取引所の取引情報も各国税務当局間で共有される体制へ移行しつつあります。「海外だから見えない」という前提自体が崩れつつあります。

なお、海外取引所やDeFiの利益にも日本の居住者である限り日本の課税が及びます。「バレにくいかどうか」と「課税されるかどうか」は別の話です。海外取引所やDeFiの利益も、必ず申告しましょう。

仮想通貨の税務調査は実際どれくらい行われている?

国税庁が公表している調査状況(令和6事務年度)では、暗号資産等取引を行っている個人に対する実地調査は613件と、前事務年度の535件から約14.6%増加しています。しかも1件当たりの申告漏れ所得金額は2,538万円、申告漏れ所得の総額は156億円、追徴税額の総額は46億円(1件当たり745万円)にのぼります。

この数字が示すのは2つです。第一に、仮想通貨は調査の重点分野として明確に位置づけられていること。第二に、1件当たりの申告漏れ額が大きい——つまり利益が大きい人ほど優先的に調査対象になっていることです。逆に言えば、利益が小さければ永久に来ないという意味ではなく、着手の優先順位の問題に過ぎません。

調査統計の詳細(推移・他分野との比較)は暗号資産の税務調査・市場データ 年次レポート2026に、税務調査で実際に確認されるポイントは仮想通貨の税金ガイドの税務調査セクションにまとめています。

会社に仮想通貨の利益がバレる仕組み|住民税に注意

税務署ではなく「勤務先にバレたくない」というご相談も、会社員の方から非常に多く受けます。会社に知られる典型ルートは住民税です。

給与所得者の住民税は、通常、市区町村から会社へ通知され給与から天引きされます(特別徴収)。仮想通貨の利益を確定申告すると、その分だけ住民税額が増えるため、給与水準に対して住民税が不自然に多いことから、経理担当者が給与以外の所得の存在に気づくことがあります。

対策として、確定申告書の第二表で、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」にチェックする方法が知られています。これにより仮想通貨分の住民税は自宅に届く納付書で納めることになり、会社への通知額には反映されません。ただし、普通徴収への切り替えを認めるかどうかの実務は市区町村によって差があり、確実を期すなら申告後にお住まいの市区町村へ確認しておくと安心です。

なお、「会社にバレたくないから申告しない」は順序が逆です。無申告のまま税務調査で発覚した場合のほうが、追徴の負担も、結果的に周囲に知られるリスクも大きくなります。

申告していない年分は何年前まで発覚する?

「もう数年前の利益だから、今さら調べられないのでは」という期待も禁物です。税務署が申告内容を是正できる期間(更正・決定の除斥期間)は原則5年、偽りその他不正の行為があると認められる場合は7年まで遡ります。

実務では、税務調査は直近年分だけでなく複数年分をまとめて確認するのが通常です。ブロックチェーンや取引所の履歴は年数が経っても消えないため、「時間が経つほど安全になる」構造にはなっていません。むしろ無申告の期間が長いほど、加算税・延滞税(利息に相当する負担)が膨らみます。

期限を過ぎてしまった場合でも、税務署から指摘される前に自主的に期限後申告をすれば、加算税が軽減される制度があります。取引履歴が残っていれば、複数年分をまとめて計算・申告することもできます。すでに申告していない年分がある方は、「バレるかどうか」ではなく「どう是正するか」に切り替えることを強くおすすめします。期限後申告の手順やペナルティの計算は、別記事「仮想通貨の申告漏れ・確定申告を忘れたらどうなる?ペナルティの税率と今からやるべきこと」で詳しく解説します。

よくある質問

Q. 海外取引所しか使っていなければバレませんか?
A. バレない、とは言えません。日本円の入出金は国内の銀行・取引所を経由するのが通常で、その記録から取引をしていることは分かります。加えて、暗号資産取引情報を各国税務当局間で交換する国際的な枠組み(CARF)の整備が進んでおり、海外取引所の情報も共有される方向にあります。なお、海外取引所の利益も日本の居住者には課税対象です。

Q. 利益が20万円以下なら申告不要と聞きました。それなら「バレる・バレない」も関係ないですよね?
A. 注意が必要です。給与を1か所から受けている会社員の方で、給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要になる場合がありますが、これは所得税だけのルールで、住民税の申告は金額にかかわらず必要です。また、医療費控除やふるさと納税(確定申告する場合)などで確定申告を行うときは、20万円以下の利益も含めて申告しなければなりません。

Q. ウォレットに入れて保有しているだけならバレませんか?そもそも税金はかかりますか?
A. 保有しているだけ(含み益の状態)なら、個人の場合は課税されません。課税されるのは売却・他の暗号資産との交換・決済などで利益が実現したときです。したがって「保有だけの人」はそもそも申告義務が生じていません。ただし、過去に売却や交換をしてウォレットに移した場合、その時点の利益は課税対象ですし、オンチェーンの記録は残り続けます。

Q. 数年前の利益があります。今から申告するとかえって目立ちませんか?
A. 逆です。税務署から指摘される前の自主的な期限後申告は加算税が軽減され、調査で発覚した場合より負担が明確に小さくなります。「申告したから調査に来る」のではなく、無申告のまま発覚することが最も不利です。複数年分の損益計算が必要になるケースが多いため、履歴の収集も含めて早めに着手するのが良いです。

Q. 2028年から税制が変わって税率が下がると聞きました。それまで申告しないで待ってもいいですか?
A. 待つ理由にはなりません。2026年分・2027年分の取引は、現行の取扱い(総合課税の雑所得)で確定しており、この2年分の申告は現行ルールで行う必要があります。2028年以降については、特定の暗号資産・取引を対象とする申告分離課税への変更が予定されていますが、対象範囲や細目は法案・政令・通達の整備待ちで、しかも改正は過去の無申告を帳消しにするものではありません。過去分の無申告は過去のルールのまま残り、延滞税だけが積み上がります。

まとめ|「バレるか」ではなく「どう申告するか」

仮想通貨の税金が「バレない」と言えた時代は終わりつつあります。国内取引所の情報は税務当局が把握でき、記録は消えず、国際的な情報交換の体制整備も進み、調査件数は増加傾向——発覚の仕組みは年々厚くなる一方です。そして発覚が遅れるほど、追徴の負担は大きくなります。

いま申告漏れの心当たりがある方が取るべき行動は、「バレませんように」と待つことではなく、指摘される前に自主的に是正することです。取引履歴の収集と複数年の損益計算は手間がかかりますが、専門の税理士に依頼すれば損益計算からまとめて任せることもでき、複数年分の申告もまとめて対応できます。まずは概算の分かるかんたん料金診断で、自分のケースの目安を把握するのがおすすめです。確定申告の具体的な手順は仮想通貨の確定申告ガイドをご覧ください。

ご相談の入口

※料金は税込表記。提供範囲は申込ページをご確認ください。


監修・免責事項

本記事は2026年7月時点の一般的な税務上の取扱いに基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。税制改正や個別のご事情により取扱いが異なる場合があります。実際の申告の判断にあたっては、最新の情報をもとに税理士へご確認ください。

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