結論確定(開始後の扱い)
使えません。改正後の所得税法は、暗号資産の売却による譲渡所得を、50万円の特別控除の計算から外し、何年持っていても全額を課税する仕組みにしています。分離課税で売っても、海外取引所などで売って総合課税になっても同じです。
理由
ゴルフ会員権や金地金など、総合課税になる資産の譲渡所得には、次のような計算上の優遇があります(株式や土地・建物は、それぞれ別の分離課税で計算するため、この優遇はありません)。
- 譲渡益から最大50万円を差し引ける特別控除
- 5年を超えて持っていた資産は、利益の2分の1だけを課税(長期譲渡所得)
改正後の所得税法は、暗号資産の売却による所得を譲渡所得の中の別の区分(33条3項3号)にしたうえで、この2つの優遇から外しています。
- 50万円の特別控除:控除できる額の上限が、暗号資産以外の譲渡益の範囲に限られています(33条4項)
- 2分の1課税:2分の1にするのは暗号資産以外の長期保有の分だけで、暗号資産は保有期間にかかわらず全額が課税されます(22条2項)
注意点
- 「総合課税にすれば譲渡所得として50万円控除が使える」ということはありません
- 分離課税の枠では、事業所得・譲渡所得・雑所得をまとめて20.315%で課税するため、もともとこれらの優遇はありません
- 2027年分までの現行制度では、暗号資産の売却益は原則として雑所得で、譲渡所得の優遇はもともとありません
根拠条文
所得税法33条3項・4項(改正後・施行前)
…一 資産(暗号資産を除く。次号において同じ。)の譲渡…でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得… 二 資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの 三 暗号資産の譲渡による所得 / 4 前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、…一 次号に掲げる場合以外の場合 五十万円 二 譲渡益のうち、前項第一号に掲げる所得に係る部分の金額と同項第二号に掲げる所得に係る部分の金額との合計額が五十万円に満たない場合 当該合計額
出典:e-Gov法令検索
暗号資産は3号として別に分けられ、50万円の特別控除の上限は1号・2号(暗号資産以外)の譲渡益の範囲になります。
所得税法22条2項(改正後・施行前)
一 …譲渡所得の金額(第三十三条第三項第一号又は第三号(譲渡所得)に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)…の合計額 二 譲渡所得の金額(第三十三条第三項第二号に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び一時所得の金額…の合計額の二分の一に相当する金額
出典:e-Gov法令検索
2分の1になるのは2号(暗号資産以外の長期保有)だけで、暗号資産の3号は全額が総所得金額に入ります。
ご相談の入口
- まだ情報収集中の方:公式LINE(無料特典3点・1問無料質問)→ 公式LINEはこちら
- 申告を依頼したい方:無料見積もり(フォーム送信後、税理士が2営業日以内にメールでお見積もりをお送りします)→ 無料で見積もりを依頼する
- 個別の税務判断を相談したい方:税務スポット相談 45分 ¥33,000(税込) → お申し込みはこちら ※料金は税込表記。提供範囲は申込ページをご確認ください。
監修・免責事項
本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。
この記事の執筆・監修者
公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。