結論確定
なりません。開始後も総合課税です。開始後は、営利目的の継続的な売買でなければ「暗号資産の譲渡所得(総合課税)」になり、2分の1にする計算や50万円の特別控除はなく、損失は他の所得と通算できません。ステーキングなどの報酬は今までどおり原則として雑所得です。
理由
分離課税になるのは、特定暗号資産を国内の登録業者で売った利益だけです。海外取引所やDEXでの売却・交換、ステーキングやレンディングなどの報酬は、開始後も総合課税です。
開始後は所得税法も改正され、暗号資産の売却の利益は、営利目的の継続的な売買にあたらなければ「暗号資産の譲渡所得(総合課税)」になります。ゴルフ会員権や金地金など、総合課税になるほかの資産の譲渡所得と違い、次の扱いです。
- 2分の1にする計算(長期譲渡所得)はない
- 50万円の特別控除の対象にならない
- 損失は給与など他の所得と通算できない
営利目的で継続的に売買している場合は、譲渡所得ではなく雑所得(社会通念上事業といえる程度なら事業所得)です。どちらになるかは、取引の内容で判断します。
ステーキングなどの報酬は売却ではないので、今までどおり原則として雑所得です。
注意点
開始後も、海外取引所やDEXで売買した分は今と同じく自分で損益を計算して申告する必要があります。海外取引所の申告の考え方は海外取引所の仮想通貨は確定申告が必要?をご覧ください。
根拠条文
所得税法33条3項(改正後・施行前)
…一 資産(暗号資産を除く。次号において同じ。)の譲渡(…)でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。) 二 資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの 三 暗号資産の譲渡による所得
出典:e-Gov法令検索
開始後は「暗号資産の譲渡による所得」が譲渡所得の独立した区分になります。
所得税法33条2項1号
一 たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得
出典:e-Gov法令検索
営利目的で継続的に行う売買は譲渡所得に含まれず、雑所得や事業所得になります。
所得税法22条2項1号(改正後・施行前)
…譲渡所得の金額(第三十三条第三項第一号又は第三号(譲渡所得)に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)…
出典:e-Gov法令検索
暗号資産の譲渡所得は、長期の譲渡所得のような2分の1の計算をせず、全額が総所得金額に入ります。
所得税法69条2項(改正後・施行前)
前項の場合において、同項に規定する損失の金額のうちに第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産又は暗号資産で譲渡所得の基因となるものに係る所得の金額…の計算上生じた損失の金額があるときは、…生じなかつたものとみなす。
出典:e-Gov法令検索
総合課税の暗号資産の譲渡所得で出た損失は、給与など他の所得と通算できません。
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監修・免責事項
本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。
この記事の執筆・監修者
公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。