結論確定(開始後の扱い)
取引ごとに分かれます。国内の登録業者で特定暗号資産を売った利益は申告分離課税、ステーキング・レンディングの報酬は原則として雑所得の総合課税、海外取引所やDEXでの売買は総合課税(譲渡所得または雑所得)、特定暗号資産を対象にした国内取引所の暗号資産FXなど(第一種金融商品取引業者などが相手・差金決済)は先物取引の申告分離課税です。
理由
分離課税の開始後は、取引の種類ごとに所得区分と課税方式が分かれます。個人が一般的な投資をしている場合の目安は次のとおりです。
| 取引内容 | 所得区分の目安 | 課税方式 |
|---|---|---|
| 国内の登録業者での売却(特定暗号資産) | 譲渡所得等 | 申告分離課税(20.315%) |
| ステーキング・レンディングの報酬(国内・海外・DeFi) | 原則、雑所得 | 総合課税 |
| 海外取引所・DEXでの売買・交換 | 譲渡所得等 | 総合課税 |
| 国内取引所の先物・デリバティブ(特定暗号資産を対象にした暗号資産FXなど。第一種金融商品取引業者などが相手・差金決済) | 原則、雑所得 | 申告分離課税(先物取引に係る雑所得等) |
| 海外取引所・DEXの先物・デリバティブ | 原則、雑所得 | 総合課税 |
「譲渡所得等」は、取引の実態によって所得区分が異なることを含みます。売買を営利目的で継続的に行っている場合は、雑所得(社会通念上事業といえる程度なら事業所得)になります。国内の登録業者で売った特定暗号資産は、どの区分でも分離課税です。
注意点
- 報酬の受け取りと、その後の売却は別に判定します(報酬で受け取ったコインを売る場合)
- 区分が違う所得どうしは、原則として相殺できません(ステーキング報酬と売買の損失)
- 2027年分までの現行制度では、国内取引所の暗号資産FXも含めて、これらは原則としてすべて雑所得(総合課税)です
根拠条文
租税特別措置法38条の2第1項(改正後・施行前)
…当該特定暗号資産の譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得については、…他の所得と区分し、…百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。
出典:e-Gov法令検索
国内の登録業者で売った特定暗号資産は、事業所得・譲渡所得・雑所得のどれでも、ほかの所得と分けて課税します。
所得税法33条3項・2項1号(3項は改正後・施行前)
三 暗号資産の譲渡による所得 / 一 たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得
出典:e-Gov法令検索
開始後は暗号資産の売却が譲渡所得の区分になります。ただし営利目的で継続的に行う売買は譲渡所得に含まれず、雑所得・事業所得になります。
租税特別措置法41条の14第1項2号(改正後・施行前)
…同項に規定する店頭デリバティブ取引(第三十八条の二第一項に規定する特定暗号資産以外の同法第二条第二十四項第三号の二に掲げる暗号等資産又は当該暗号等資産に係る同法第二十九条の二第一項第九号に規定する金融指標に係るものを除く。)に該当するもの(第三十七条の十二の二第二項第一号に規定する金融商品取引業者又は登録金融機関を相手方として行うものに限る。)
出典:e-Gov法令検索
特定暗号資産のデリバティブで、第一種金融商品取引業者・登録金融機関が相手(同法37条の12の2第2項1号)、受け渡しをしない決済のものは、先物取引に係る雑所得等の申告分離課税になります。
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監修・免責事項
本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。
この記事の執筆・監修者
公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。