結論確定
対象になります。開始日以後に国内の登録業者で売れば、いつ買ったかは問いません。取得費は実際に買った値段を引き継ぎ、今と同じく原則、総平均法(届出を出せば移動平均法)で計算します。
理由
新しい制度は「開始日以後に行う売却」に適用されます(改正法附則39条1項)。いつ買ったかは条件になっていないので、開始前から持っている特定暗号資産も、開始後に国内の登録業者で売れば20.315%の分離課税です。
取得費についても、開始日の時価で置き換えるような特例はありません。今と同じく、実際に買った値段をもとに原則、総平均法(届出を出せば移動平均法)で1枚あたりの取得価額を出し、売った値段との差が利益になります。そのため、開始前に値上がりした分も、開始後に売れば20.315%で課税されます。
売る時期の考え方(一般論)
所得が高く、総合課税の税率が高い人ほど、開始後に売るほうが税負担は軽くなり得ます。ただし開始日(2028年1月1日の見込み)は正式にはまだ決まっておらず、値動きのリスクもあります。売る時期は、開始日が決まってから判断するのが良いです。
注意点
取得価額は、どの取引所で買ったかに関係なく、同じ銘柄ごとにまとめて計算します。開始後に向けて、過去の取引履歴は必ず残しておきましょう。
根拠条文
所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)附則39条1項
新租税特別措置法第三十八条の二第一項から第三項まで及び第三十八条の三の規定は、…附則第一条第十号に定める日以後に行う同項に規定する特定暗号資産の同項に規定する譲渡について適用する。
出典:e-Gov法令検索
基準は「いつ売ったか」だけで、取得した日は問いません。
所得税法施行令119条の6第1項
一 購入した暗号資産 その購入の代価(購入手数料その他その暗号資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
出典:e-Gov法令検索
取得価額は実際に買った値段(手数料込み)です。開始日の時価に置き換える特例は、法律にも政令にもありません。
所得税法施行令119条の2第1項
一 総平均法(暗号資産…をその種類の異なるごとに区別し、その種類の同じものについて、その年一月一日において有していた種類を同じくする暗号資産の取得価額の総額とその年中に取得をした種類を同じくする暗号資産の取得価額の総額との合計額をこれらの暗号資産の総数量で除して計算した価額をその一単位当たりの取得価額とする方法をいう。)
出典:e-Gov法令検索
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監修・免責事項
本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。
この記事の執筆・監修者
公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。