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村上裕一公認会計士事務所MURAKAMI CPA OFFICE 見積相談

損失・損益通算

分離課税で出た損失は翌年以後に繰り越せますか?

最終確認 2026年10月26日更新 2026年10月27日監修 公認会計士・税理士 村上裕一

結論確定

繰り越せます。特定暗号資産の売却で引ききれない損失は、翌年以後3年間、特定暗号資産の利益から差し引けます。損失が出た年に明細書を付けて確定申告をし、その後も毎年続けて確定申告をすることが条件です。

理由

特定暗号資産の売却で出た損失は、まず同じ年の特定暗号資産の利益と差し引きします。それでも引ききれない損失は、翌年以後3年間繰り越し、各年の特定暗号資産の利益から差し引けます(租税特別措置法38条の3)。損失が複数の年にあるときは、古い年の分から差し引きます。

住民税でも同じように繰り越せます(地方税法附則35条の3の7)。

繰越の条件

  1. 損失が出た年に、損失の明細書を付けて確定申告をする
  2. その後も、毎年続けて確定申告をする
  3. 差し引く年の確定申告書にも、控除額の明細書を付ける

利益が出なかった年も、申告を続けないと繰越が途切れます。損失が出た年は、必ず確定申告をしておきましょう。

「明細書」とは

ここでいう明細書は、確定申告書に添付する国税庁の様式の書類です。損失の年は「その年の収入金額・取得価額・手数料の合計」と「繰り越す損失の額」を、差し引く年は「その年に差し引く損失の額」を書きます。上場株式の損失を繰り越すときに付ける「付表」と同じような書類です(暗号資産用の様式はまだ公表されていません)。

取引ごとの損益の計算データ(損益計算ソフトの取引一覧など)そのものを提出するわけではありません。ただし、明細書の金額の根拠になるので、取引履歴と計算の資料は手元に保存しておきましょう。

注意点

繰り越した損失を差し引けるのは特定暗号資産の利益だけで、株式・FX・給与や、総合課税の暗号資産の利益からは差し引けません(損益通算の質問)。

根拠条文

租税特別措置法38条の3第1項(改正後・施行前)

確定申告書…を提出する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、その年の前年以前三年内の各年において生じた特定暗号資産に係る譲渡損失の金額(…)を有する場合には、…当該確定申告書に係る年分の同項に規定する特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額を限度として、当該年分の当該特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額の計算上控除する。

出典:e-Gov法令検索

繰り越した損失を差し引けるのは、特定暗号資産の利益からだけです。

租税特別措置法38条の3第3項(改正後・施行前)

第一項の規定は、…特定暗号資産に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税につき当該特定暗号資産に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合であつて、…に限り、適用する。

出典:e-Gov法令検索

租税特別措置法施行規則18条の17の2第2項・第3項(改正後・施行前)

一 …特定暗号資産に係る譲渡損失の金額…の計算に関する明細書(当該特定暗号資産に係る譲渡損失の金額の記載があるものに限る。) 二 施行令第二十五条の十五の二第二項に規定する明細書 / 3 …その年において控除すべき特定暗号資産に係る譲渡損失の金額及びその計算の基礎その他参考となるべき事項を記載した明細書とする。

出典:e-Gov法令検索

損失の年は「損失の計算の明細書」と「譲渡所得等の計算明細書」、差し引く年は「控除額の明細書」を付けます。

租税特別措置法施行令25条の15の3第1項1号(改正後・施行前)

控除する特定暗号資産に係る譲渡損失の金額が前年以前三年内の二以上の年に生じたものである場合には、これらの年のうち最も古い年に生じた特定暗号資産に係る譲渡損失の金額から順次控除する。

出典:e-Gov法令検索

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監修・免責事項

本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。

この記事の執筆・監修者

公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一

大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。

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