結論確定
金融庁の登録業者の一覧に、その取引所の運営会社が載っているかで確かめます。分離課税の条件は、取引所の所在地ではなく、日本で登録を受けた業者(暗号資産取引業を行う金融商品取引業者)で売ることだからです。同じ名前のサービスでも、日本の登録法人と海外の無登録法人に分かれていることがあるので、契約の相手になっている会社名で照らし合わせてください。
理由
分離課税の条文は、売る相手(または売買を任せる相手)を「暗号資産取引業を行う金融商品取引業者」に限っています。決め手は日本の登録を受けているかどうかで、取引所の所在地は条件に入っていません。
- 海外に本社があるグループでも、日本で登録を受けた法人で売れば対象になります
- 日本語のサイトで円の入金ができても、登録を受けていない業者で売れば対象外です
- DEX(分散型取引所)は運営する業者がいないため、対象外です
確かめ方
| 方法 | 見るところ |
|---|---|
| ① 金融庁の登録業者の一覧(決め手) | 金融庁「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」に、運営会社の名前と登録番号が載っているか。今は「暗号資産交換業者登録一覧」、金融商品取引法への移行後は金融商品取引業者の登録一覧で確かめます |
| ② 契約の相手になっている会社 | 利用規約や取引報告書に書かれている運営会社の名前。同じブランドでも、日本の登録法人と海外の法人では口座が別です |
| ③ 金融庁の無登録業者への警告の一覧 | 金融庁「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」に載っていれば、無登録の業者です。ただし、載っていないからといって登録業者とは限りません |
| ④ 取引所への問い合わせ | 登録番号を聞き、①の一覧と照らし合わせます。答えだけで判断せず、必ず一覧で確かめてください |
注意点
- 登録の一覧は、売った時点で登録されていたかを見ます。登録の取り消しや廃業で一覧から外れた業者で売った分は、対象外になることがあります
- 改正法の施行のときに暗号資産交換業者として登録されていた業者は、金融商品取引法の登録を受けるまでの切り替え期間中も、分離課税の対象になる業者として扱われます(施行日から原則6か月、登録を申請していれば最長2年)
- 分離課税になるには、業者の条件に加えて、売る銘柄が特定暗号資産であることも必要です(特定暗号資産とは)
- 海外取引所やDEXで売った場合の扱いは、対象外の取引の質問をご覧ください
根拠条文
租税特別措置法38条の2第1項(改正後・施行前)
…特定暗号資産…の譲渡(同法第二条第九項に規定する金融商品取引業者(同法第二十八条第五項に規定する暗号資産取引業を行う者に限る。以下この項及び第四項において「暗号資産取引業者」という。)への売委託により行うもの又は暗号資産取引業者に対するものに限る。…)をした場合には、…
出典:e-Gov法令検索
対象になるのは、金融商品取引法の登録を受けて暗号資産取引業を行う業者で売った場合です。条文に所在地の条件はありません。
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)附則8条1項
この法律の施行の際現に旧資金決済法第六十三条の二の登録を受けている者(…金融商品取引業者を除く。)は、施行日から起算して六月間(…)は、金融商品取引法第二十九条の規定にかかわらず、暗号資産取引業務を行うことができる。
出典:e-Gov法令検索
今の暗号資産交換業者は、金融商品取引法の登録を受けるまでの間も、経過措置で業務を続けられます。
同法附則11条(衆議院掲載の法律案本文で確認)
附則第八条第一項又は第二項の規定により暗号資産取引業務を行うことができる者については、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第三十八条の二第一項に規定する金融商品取引業者に該当するものとみなす。
出典:衆議院(法律案本文)
登録の切り替え期間中の交換業者で売った場合も、分離課税の対象になる業者として扱われます。
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監修・免責事項
本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。
この記事の執筆・監修者
公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。