結論確定
特定暗号資産の利益(損失)は確定申告で申告し、計算の明細書を申告書に付けます。国内の暗号資産取引業者は、顧客ごとの年間の売買の金額や数量を、翌年1月31日までに税務署へ報告します。この報告は、分離課税が始まった年の翌年の取引から対象です。
理由
特定暗号資産を国内の登録業者で売った利益は、源泉徴収で終わる仕組みではなく、確定申告で申告します。申告書には、収入金額・取得費・手数料などを書いた「特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額の計算に関する明細書」を付けます。この明細書は、事業所得・譲渡所得・雑所得の区分ごとに、1年分の収入金額・取得価額・手数料などの合計額を書く書類で、取引ごとのデータを提出するものではありません(明細書についての説明)。損失を繰り越すときは、損失の明細書も必要です。
国内の暗号資産取引業者は、顧客ごとに、年初と年末の保有数量、その業者で買った分と売った分の金額・数量、手数料などを報告書にまとめ、翌年1月31日までに税務署へ提出します(この報告は、分離課税が始まった年の翌年の取引から対象です。2028年に始まる場合は、2029年の取引を2030年1月31日までに報告します)。報告書には個人番号(マイナンバー)も書かれます。
注意点
業者の報告書に載るのは、その業者で買った分の金額だけです。海外取引所やDEXで買って国内に送った分の取得価額は、自分の記録で計算します。取引履歴は必ず保存しておきましょう。
総合課税になる取引(海外取引所・DEXでの売却やステーキング報酬など)がある人は、分離課税の分とは別に、今までどおり損益を計算して申告します。
根拠条文
租税特別措置法施行令25条の15の2第2項(改正後・施行前)
その年において法第三十八条の二第一項に規定する特定暗号資産の譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得…を有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が確定申告書を提出する場合には、財務省令で定めるところにより、当該特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額の計算に関する明細書を当該申告書に添付しなければならない。
出典:e-Gov法令検索
租税特別措置法施行規則18条の17第1項(改正後・施行前)
…明細書は、…特定暗号資産の譲渡による事業所得、譲渡所得又は雑所得のそれぞれについて作成するものとし、当該明細書には、次の各号に掲げる所得の区分に応じ当該各号に定める項目別の金額その他参考となるべき事項を記載しなければならない。
出典:e-Gov法令検索
計算の明細書は、所得の区分ごとに、収入金額・取得価額・手数料などの項目別の金額を書きます。
租税特別措置法38条の2第4項(改正後・施行前)
居住者又は恒久的施設を有する非居住者との間で特定暗号資産についての金融商品取引法第二条第八項第十八号又は第十九号に掲げる行為を行つた暗号資産取引業者の営業所…の長は、当該行為を行つた日の属する年の翌年一月三十一日までに、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の氏名、個人番号、当該特定暗号資産の名称その他の財務省令で定める事項を記載した報告書を作成し、当該営業所の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
出典:e-Gov法令検索
租税特別措置法施行規則18条の17第3項3号(改正後・施行前)
…ロ その年の一月一日及び十二月三十一日において対象者のために管理をしている特定暗号資産の総数量 ハ その年において対象者が行つた特定暗号資産の取得(暗号資産取引業者への買付けの委託による取得又は暗号資産取引業者からの取得に限る。)の対価の額の合計額及び当該取得をした特定暗号資産の総数量 ニ その年において対象者が行つた特定暗号資産の譲渡の対価の額の合計額及び当該譲渡をした特定暗号資産の総数量…
出典:e-Gov法令検索
報告されるのは、その業者での年初・年末の保有数量、その業者で買った分・売った分の金額と数量などです。
所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)附則39条2項
新租税特別措置法第三十八条の二第四項から第九項までの規定は、同条第四項の暗号資産取引業者が附則第一条第十号に定める日の属する年の翌年の一月一日以後に同項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者との間で行う同項の特定暗号資産についての同項に規定する行為について適用する。
出典:e-Gov法令検索
業者の報告は、分離課税が始まった年の翌年1月1日以後の取引から対象です。
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監修・免責事項
本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。
この記事の執筆・監修者
公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。