令和8年度税制改正で、暗号資産の分離課税が決まりました。ここでは分離課税の概要と、よくある質問をまとめています。
暗号資産の分離課税とは|制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 特定暗号資産を、国内の暗号資産取引業者への売委託か、業者に対する売却で売る取引 |
| 税率 | 20.315%(所得税15%+住民税5%に、復興特別所得税・防衛特別所得税として所得税額の2.1%分が加わる) |
| 計算 | 給与などほかの所得と分けて計算する(申告分離課税) |
| 損失 | 特定暗号資産の枠の中で通算し、引ききれない損失は翌年以後3年間繰り越せる |
| 他の所得との通算 | できない(株式・FX・給与・総合課税の暗号資産とも) |
| 開始 | 2028年1月1日以降の取引から対象になる見込み |
いまは、暗号資産の利益は原則として雑所得で、給与などと合算して最高55%(所得税45%+住民税10%。復興特別所得税を除く)の累進税率がかかります。損失は翌年に繰り越せません。新しい制度では、対象の取引に限り、税率が一律20.315%になり、損失も3年間繰り越せます。すべての暗号資産取引が一律20.315%になるわけではなく、対象は「銘柄」と「売り方」の両方の条件を満たす取引だけです。
法律(租税特別措置法38条の2・38条の3)だけでなく、計算方法や繰越の手続を決める政令・省令も2026年3月31日に公布されています。
特定暗号資産とは
分離課税の対象になる「特定暗号資産」は、金融商品取引法の「暗号資産」のうち、国内の暗号資産取引業者が取り扱う銘柄として、金融商品取引業者登録簿に名前が載っているものが基本です(租税特別措置法38条の2第1項)。国内の取引所で売買できる銘柄をイメージすると分かりやすいです。
- 取引の状況などを見て財務省令で除く銘柄、財務省令で加える銘柄があり得ますが、その財務省令はまだ出ていません
- USDCのような電子決済手段(ステーブルコイン)は法律上の暗号資産に含まれないため、特定暗号資産になりません
- 国内の業者で扱いのない銘柄は、特定暗号資産になりません
ただし、特定暗号資産であっても、海外取引所やDEXで売った分は分離課税の対象外です。分離課税になるには、銘柄の条件に加えて「国内の登録業者で売る」という売り方の条件も満たす必要があります。
分離課税の対象になる取引・ならない取引
分離課税になるかどうかは、銘柄(特定暗号資産か)と売り方(国内の登録業者で売るか)の2つで決まります。どこで買ったか、いつ買ったかは条件になっていません。
| 取引 | 分離課税 |
|---|---|
| 国内取引所で買って、国内取引所で売る | 対象 |
| 開始前から持っている暗号資産を、開始後に国内取引所で売る | 対象 |
| 海外取引所やDEXで買って国内取引所に送り、国内取引所で売る | 対象 |
| 海外取引所やDEXで売る・ほかの暗号資産に交換する | 対象外(総合課税) |
| ステーキング・レンディングなどの報酬 | 対象外(総合課税) |
| 国内の業者で扱いのない銘柄 | 対象外 |
※「対象」は、その銘柄が特定暗号資産であることが前提です。
暗号資産の所得区分|取引ごとの課税方式(制度の開始後)
所得税の扱いは、取引の種類ごとに分かれます。個人が一般的な投資をしている場合の整理は次のとおりです(制度の開始後)。
| 取引内容 | 所得区分の目安 | 課税方式 |
|---|---|---|
| 国内の登録業者での売却(特定暗号資産) | 譲渡所得等 | 申告分離課税 ※1 |
| 国内取引所のステーキング報酬 | 原則、雑所得 | 総合課税 ※2 |
| 国内取引所のレンディング報酬 | 原則、雑所得 | 総合課税 ※2 |
| その他サービスのステーキング・レンディング報酬 | 原則、雑所得 | 総合課税 ※2 |
| 海外取引所での売買 | 譲渡所得等 | 総合課税 ※3 |
| DEXでの売買・交換 | 譲渡所得等 | 総合課税 ※3 |
| 海外・DeFiのステーキング・レンディング報酬 | 原則、雑所得 | 総合課税 ※2 |
| 国内取引所の先物・デリバティブ(特定暗号資産を対象にした暗号資産FXなど) | 原則、雑所得 | 申告分離課税 ※4 |
| 海外取引所・DEXの先物・デリバティブ | 原則、雑所得 | 総合課税 ※3 |
- 「譲渡所得等」は、取引の実態によって所得区分が異なることを含みます。売買を営利目的で継続的に行っている場合は雑所得(社会通念上事業といえる程度なら事業所得)になります
- ※1 特定暗号資産を、国内の暗号資産取引業者に売却するか、業者への売委託で売る場合(租税特別措置法38条の2)。事業所得・譲渡所得・雑所得のどれでも、ほかの所得と分けて20.315%で課税します
- ※2 報酬を受け取ったときの扱い。DeFiの複合的な取引は個別に確認が必要です
- ※3 国内の登録業者で売っていない取引。総合課税の譲渡所得には2分の1の計算・50万円の特別控除がなく、損失は他の所得と通算できません(改正後の所得税法22条2項・33条・69条2項)
- ※4 特定暗号資産を原資産とし、第一種金融商品取引業者または登録金融機関を相手にする取引で、現物の受け渡しをしない決済(差金決済)のもの。国内FXなどと同じ「先物取引に係る雑所得等」の申告分離課税(改正後の租税特別措置法41条の14)
報酬の受け取りと、その後の売却は別に判定します。ステーキングなどの報酬は受け取ったときに総合課税ですが、受け取ったコインをあとで国内の登録業者で売れば、その売却益は分離課税の対象になり得ます(受け取ったときの時価が取得価額)。
分離課税はいつから?今後の見込み
2028年1月1日以降の取引が、分離課税の対象になる見込みです。 2026年分・2027年分の取引は、今までどおり総合課税で申告します。
開始日は「暗号資産を金融商品取引法に移す改正法の施行日が属する年の、翌年1月1日」と法律で決まっています。その改正法は2026年7月23日に公布され、公布から1年以内(2027年7月22日まで)に政令で決める日に施行されます。施行日を決める政令は2026年10月22日時点でまだ公布されておらず、2026年中の施行は見込まれないため、2027年中に施行され、2028年1月1日から分離課税が始まる見込みです。正式な開始日は、施行日の政令が公布された時点で確定します。
未確定の事項
| 事項 | 状況 |
|---|---|
| 正式な開始日 | 2028年1月1日以降の取引からの見込み。暗号資産を金融商品取引法に移す改正法の施行日を定める政令が未公布 |
| 特定暗号資産から除く銘柄・加える銘柄 | 財務省令が未制定 |
| 相続した暗号資産への取得費加算の特例の適用 | 使える可能性があるが、国税庁の解説がなく未確定 |
| 国税庁の通達・FAQ(計算の実務など) | 未公表 |
よくある質問(分離課税Q&A)
各質問のページで、結論・理由・根拠条文を確認できます。
基本(いつから・税率・対象の銘柄)
- Q. 暗号資産の分離課税はいつから始まりますか?見込み
2028年1月1日以降の取引が、分離課税の対象になる見込みです。2026年分・2027年分の取引は、今までどおり総合課税で申告します。正式な開始日は、暗号資産を金融商品取引法に移す改正法の施行日を決める政令が出た時点で確定します。
理由と根拠条文を見る - Q. 暗号資産の分離課税の税率は何%ですか?確定
20.315%です。所得税15%・住民税5%に、復興特別所得税と防衛特別所得税(所得税額の2.1%分)が加わります。給与などほかの所得が多くても、この税率は変わりません。ただし所得が極めて高い人(特定暗号資産の利益だけなら約3億3,708万円超が目安)は、ミニマムタックスの追加課税がかかることがあります。
理由と根拠条文を見る - Q. 暗号資産の分離課税で、ミニマムタックス(極めて高い所得への追加課税)の適用を受けることはありますか?確定
あります。2027年分から、基準所得金額が1億6,500万円を超える人は、超えた部分の30%から通常の所得税額を差し引いた額が、追加で課されます。分離課税の開始後は、特定暗号資産の利益も基準所得金額に入ります。特定暗号資産の利益だけの場合、約3億3,708万円を超えると追加課税が出る目安です。
理由と根拠条文を見る - Q. 分離課税の対象になる「特定暗号資産」とは?どの銘柄が対象ですか?細目は未確定
国内の登録業者(暗号資産取引業者)が取り扱う銘柄として登録されている暗号資産が基本です。そこから除く銘柄・加える銘柄を決める財務省令はまだ出ていません。USDCのような電子決済手段は特定暗号資産に含まれません。
理由と根拠条文を見る - Q. 特定暗号資産にあたるかどうかは、買ったときと売ったときのどちらで判定しますか?確定(細目は省令待ち)
売ったときで判定します。条文は「特定暗号資産の譲渡をした場合」に分離課税を適用すると書いているためです。海外取引所やDEXでしか買えなかった銘柄でも、売るときまでに国内の登録業者が扱うようになり、その国内の登録業者で売れば対象になり得ます。銘柄が特定暗号資産でも、海外取引所やDEXで売った分は対象外です。反対に、売る前に国内での取り扱いが終わった銘柄は、国内の登録業者で売れなくなれば分離課税の対象になりません。取り扱い終了の前後の細かい扱いは、財務省令や通達を待つ必要があります。
理由と根拠条文を見る
所得区分・損益の相殺
- Q. 分離課税の開始後、暗号資産の所得はどの所得区分・課税方式になりますか?確定(開始後の扱い)
取引ごとに分かれます。国内の登録業者で特定暗号資産を売った利益は申告分離課税、ステーキング・レンディングの報酬は原則として雑所得の総合課税、海外取引所やDEXでの売買は総合課税(譲渡所得または雑所得)、特定暗号資産を対象にした国内取引所の暗号資産FXなど(第一種金融商品取引業者などが相手・差金決済)は先物取引の申告分離課税です。
理由と根拠条文を見る - Q. 暗号資産の売却は、事業所得・譲渡所得・雑所得のどれになりますか?区分で計算に違いはありますか?確定(判断の目安は通達待ち)
営利目的で継続的に売買している場合は雑所得、その売買が社会通念上「事業」といえる程度なら事業所得、そうでない投資としての売却は譲渡所得になります。分離課税の枠では3つをまとめて20.315%で課税し、損失も区分をまたいで差し引けます。購入代金(取得価額)と売るための手数料は、どの区分でも差し引けます。ただし、それ以外の経費(取引のための管理費など)を差し引けるかどうかが区分で違うため、税額が変わることがあります。一方、海外取引所などで売って総合課税になる場合は、区分によって損失の扱いなどが変わります。
理由と根拠条文を見る - Q. 継続的に売買しているので雑所得として、総合課税を選ぶことはできますか?取引が入り乱れて分けられない場合はどうなりますか?確定
選べません。国内の登録業者で特定暗号資産を売った分は、雑所得にあたっても分離課税になります。条文は事業所得・譲渡所得・雑所得のすべてを分離課税の対象にしていて、総合課税を選ぶ仕組みがないためです。ボット取引などで取引が入り乱れていても、所得区分でまとめて決めるのではなく、取引ごとに「何を・どこで売ったか」で分けて計算します。
理由と根拠条文を見る - Q. ステーキングやレンディングで利益が出ましたが、暗号資産の売買では損失が出ています。トータルでは損失なので、確定申告は不要ですか?確定(開始後の扱い)
分離課税の開始後は、国内の登録業者で売った特定暗号資産の損失や、総合課税の譲渡所得に当たる売買の損失は、ステーキング・レンディングの利益(雑所得)と相殺できないため、ステーキング・レンディングの利益について確定申告が必要になります。なお2027年分までの現行制度では、売買の損失も報酬も同じ雑所得なので相殺できます。
理由と根拠条文を見る - Q. ステーキング報酬で受け取ったコインを、あとで国内取引所で売ったら分離課税になりますか?確定(開始後の扱い)
なり得ます。報酬を受け取ったときと、そのコインを売ったときは別に判定します。受け取ったときは総合課税(原則、雑所得)ですが、受け取ったコインが特定暗号資産で、国内の登録業者で売れば、売却益は分離課税の対象です。取得価額は受け取ったときの時価です。
理由と根拠条文を見る - Q. 暗号資産の売却が「譲渡所得」になったら、50万円の特別控除や長期保有の2分の1課税は使えますか?確定(開始後の扱い)
使えません。改正後の所得税法は、暗号資産の売却による譲渡所得を、50万円の特別控除の計算から外し、何年持っていても全額を課税する仕組みにしています。分離課税で売っても、海外取引所などで売って総合課税になっても同じです。
理由と根拠条文を見る
対象になる取引・ならない取引
- Q. 国内取引所の「取引所(板取引)」で売っても、「販売所」で売っても分離課税の対象になりますか?確定
どちらも対象です。分離課税の売り方の条件は「国内の暗号資産取引業者への売委託」か「暗号資産取引業者に対する譲渡」で、取引所(板取引)はほかの利用者との売買を業者に任せる取引、販売所は業者を相手に売る取引にあたるためです。
理由と根拠条文を見る - Q. 国内取引所でコインどうしを交換(BTCをETHに替えるなど)しても、分離課税の対象になりますか?確定
対象になります。暗号資産どうしの交換も、分離課税の対象になる「譲渡」にあたります。国内の登録業者を相手にした交換や、業者に任せた交換は、売り方の条件も満たします。海外取引所やDEXでの交換は対象外です。
理由と根拠条文を見る - Q. 海外取引所やDEXで売った利益や、ステーキング報酬は分離課税になりますか?確定
なりません。開始後も総合課税です。開始後は、営利目的の継続的な売買でなければ「暗号資産の譲渡所得(総合課税)」になり、2分の1にする計算や50万円の特別控除はなく、損失は他の所得と通算できません。ステーキングなどの報酬は今までどおり原則として雑所得です。
理由と根拠条文を見る
どこで売るかの選び方
- Q. 分離課税にすると、かえって税金が高くなることはありますか?確定(開始後の扱い)
あります。ほかに所得がなく、課税所得が195万円以下に収まる人は、総合課税なら所得税5%+住民税10%(復興特別所得税等を含めて15.105%)で、分離課税の20.315%より低くなります。分離課税にするかどうかは、国内の登録業者で売るか、海外取引所などで売るかで決まるため、所得の少ない年は総合課税のほうが有利なことがあります。
理由と根拠条文を見る
今持っている暗号資産
- Q. 今持っている暗号資産を、分離課税が始まってから売ったら対象になりますか?取得費はどうなりますか?確定
対象になります。開始日以後に国内の登録業者で売れば、いつ買ったかは問いません。取得費は実際に買った値段を引き継ぎ、今と同じく原則、総平均法(届出を出せば移動平均法)で計算します。
理由と根拠条文を見る - Q. 相続した暗号資産を売るとき、取得費加算の特例は使えますか?可能性あり(未確定)
分離課税の開始後は、使える可能性があります。売却が「譲渡所得」に当たる場合があり、改正後の取得費加算の特例(租税特別措置法39条)も暗号資産を対象から外していないためです。ただし国税庁の解説はまだなく、確定ではありません。2027年分までの現行制度では使えません。
理由と根拠条文を見る - Q. 含み益のある暗号資産を自分の会社に贈与したり安く売ったりしたら、個人に税金はかかりますか?確定(開始後の扱い)
税金がかかります。譲渡所得・事業所得にあたる暗号資産は、時価で売ったものとして個人に課税されます(所得税法59条・40条)。雑所得にあたる暗号資産は、改正後は時価で課税する直接の規定がなくなりますが、自分の会社(同族会社)への移転は、所得税の負担を不当に減らすものとして時価で課税し直されるおそれがあります(所得税法157条)。会社側にも、受け取った暗号資産の時価(低額譲渡なら時価との差額)に法人税がかかります。2027年分までは、所得区分にかかわらず時価を収入に入れます。
理由と根拠条文を見る
海外取引所・DEX・ステーブルコイン
- Q. 使っている取引所が、分離課税の対象になる「国内の業者」かどうかは、どう確かめればよいですか?確定
金融庁の登録業者の一覧に、その取引所の運営会社が載っているかで確かめます。分離課税の条件は、取引所の所在地ではなく、日本で登録を受けた業者(暗号資産取引業を行う金融商品取引業者)で売ることだからです。同じ名前のサービスでも、日本の登録法人と海外の無登録法人に分かれていることがあるので、契約の相手になっている会社名で照らし合わせてください。
理由と根拠条文を見る - Q. 海外取引所やDEXで買ったコインを国内取引所に移して売ると、分離課税の恩恵を受けられますか?確定
はい、分離課税の恩恵を受けることができます。分離課税の条件は、特定暗号資産であることと、国内の登録業者で売却することの2つで、どこで買ったかは条件になっていないためです。
理由と根拠条文を見る - Q. 海外取引所やDEXでETHなどに交換してから、国内取引所で円に替えたら分離課税になりますか?確定
国内取引所でETHを売った分は、ETHが特定暗号資産なら分離課税になります。ただし、海外取引所やDEXで交換した時点の利益は分離課税にならず、総合課税です。海外取引所でしか買えないコインの値上がり益はETHに替えた時点で確定するため、実際には利益のほとんどが総合課税になるケースが多くなります。
理由と根拠条文を見る - Q. 海外取引所やDEXでUSDCなどのステーブルコインに替えてから、国内で円に替えたら分離課税になりますか?確定
なりません。海外取引所やDEXでUSDCなどのステーブルコインに替えた時点で、手放した暗号資産の利益が確定し、総合課税になります。さらにUSDCは、法律上は暗号資産ではなく「ドルに連動した電子的なお金(電子決済手段)」として扱われるため、国内の取引所で円に替えても、USDCの値動きの分は分離課税の対象になりません。
理由と根拠条文を見る - Q. 国内取引所と海外取引所の両方で同じコインを売ったら、取得価額は取引所ごとに別々に計算しますか?確定
別々には計算しません。取得価額は、取引所やウォレットに関係なく、同じ銘柄をまとめて原則、総平均法(届出を出せば移動平均法)で計算します。そのため、同じ時期に国内取引所(分離課税)と海外取引所(総合課税)で売っても、1枚あたりの取得価額は同じです。
理由と根拠条文を見る
損失・損益通算
- Q. 分離課税で出た損失は翌年以後に繰り越せますか?確定
繰り越せます。特定暗号資産の売却で引ききれない損失は、翌年以後3年間、特定暗号資産の利益から差し引けます。損失が出た年に明細書を付けて確定申告をし、その後も毎年続けて確定申告をすることが条件です。
理由と根拠条文を見る - Q. 分離課税の損失は、株式・FX・給与や、総合課税の暗号資産と通算できますか?確定
できません。特定暗号資産の利益と損失はほかの所得と分けて計算し、損失はほかの所得との関係では「生じなかったもの」とみなされます。通算も繰越も、特定暗号資産の枠の中だけです。
理由と根拠条文を見る - Q. 暗号資産の取引を事業として行っていて損失が出ました。給与などほかの所得と損益通算できますか?確定(開始後の扱い)
国内の登録業者で特定暗号資産を売って出た損失は、事業所得でも、ほかの所得と損益通算できません。分離課税の枠の中だけで差し引き、残った損失は3年間繰り越します。一方、海外取引所などで売って総合課税になった事業所得の損失は、これまでどおり給与などと損益通算できます。
理由と根拠条文を見る - Q. 2026年および2027年の暗号資産の損失は、繰り越しができますか?確定
できません。2026年分・2027年分の暗号資産の損失は現行の総合課税の雑所得の損失で、翌年以後に繰り越せません。分離課税の開始後の利益と相殺することもできません。新しい3年繰越の対象は、2028年1月1日以降(見込み)に特定暗号資産を国内の登録業者で売って出た損失だけです。同じ年のほかの雑所得とは相殺できます。
理由と根拠条文を見る
暗号資産FX・確定申告の手続
- Q. 国内取引所の暗号資産FX(レバレッジ取引)は分離課税になりますか?確定
なります。特定暗号資産を対象にした国内の業者(第一種金融商品取引業者など)とのデリバティブ取引で、現物の受け渡しをしない決済(差金決済)のものは、開始後、FXや先物と同じ「先物取引に係る雑所得等」の申告分離課税(20.315%)に加わります。そのため、国内FXの損益とも損益通算できます。ただし現物の特定暗号資産の枠とは別枠で、現物の売却益とは通算できません。
理由と根拠条文を見る - Q. 国内取引所の現物取引と、暗号資産FXなどの先物取引の損益は相殺できますか?確定(開始後の扱い)
できません。分離課税の開始後、国内取引所での特定暗号資産の現物の売却は「特定暗号資産の譲渡所得等」、暗号資産FXなどの先物取引は「先物取引に係る雑所得等」という別々の枠で課税されます。どちらの枠も、損失はほかの所得との関係では「生じなかったもの」とみなされるため、現物の損失を先物の利益から差し引くことも、その逆もできません。損失の3年繰越も、それぞれの枠の中だけです。
理由と根拠条文を見る - Q. 確定申告をしなくても、税金が払われる仕組み(源泉徴収)はありますか?確定
ありません。株式の特定口座(源泉徴収あり)のように、取引所が売却益から税金を差し引いて納める仕組みは、暗号資産の分離課税にはありません。国内の登録業者で売った利益も、自分で確定申告をして納めます。なお、国内の登録業者は顧客ごとの年間の取引を税務署へ報告します(分離課税が始まった年の翌年の取引から)。
理由と根拠条文を見る - Q. 会社員ですが、特定暗号資産の利益が少しだけなら確定申告は不要ですか?確定(開始後の扱い)
給与が1か所から出ていて年末調整を受けている会社員なら、特定暗号資産の利益を含めた給与以外の所得が年20万円以下のとき、所得税の確定申告は不要です。ただし住民税の申告は必要で、医療費控除などのために確定申告をするときは、その利益も含めて申告します。損失を繰り越している人は、20万円以下でも申告を続ける必要があります。
理由と根拠条文を見る - Q. 分離課税になったら、確定申告で何が必要ですか?取引所から税務署に報告されますか?確定
特定暗号資産の利益(損失)は確定申告で申告し、計算の明細書を申告書に付けます。国内の暗号資産取引業者は、顧客ごとの年間の売買の金額や数量を、翌年1月31日までに税務署へ報告します。この報告は、分離課税が始まった年の翌年の取引から対象です。
理由と根拠条文を見る
あわせて読みたい記事
- 今の確定申告のルール:仮想通貨の確定申告のやり方
- 海外取引所の申告:海外取引所の仮想通貨は確定申告が必要?
- 今の損益通算のルール:仮想通貨の損益通算はできる?
- DEXのスワップの考え方:DeFiの確定申告のやり方
- 制度の最新状況:暗号資産税制の年次レポート・月次レポート
ご相談の入口
- まだ情報収集中の方:公式LINE(無料特典3点・1問無料質問)→ 公式LINEはこちら
- 申告を依頼したい方:無料見積もり(フォーム送信後、税理士が2営業日以内にメールでお見積もりをお送りします)→ 無料で見積もりを依頼する
- 個別の税務判断を相談したい方:税務スポット相談 45分 ¥33,000(税込) → お申し込みはこちら ※料金は税込表記。提供範囲は申込ページをご確認ください。
この記事を書いた人
村上 裕一(むらかみ ゆういち)|公認会計士・税理士
村上裕一公認会計士事務所 所長。暗号資産(仮想通貨)の税務を専門とし、個人の確定申告から法人化・税務調査対応まで、暗号資産に特化した税務サポートを提供している。EY新日本有限責任監査法人出身。YouTube・Xで暗号資産の税金情報を発信中。
監修・免責事項
本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。
この記事の執筆・監修者
公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。