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村上裕一公認会計士事務所MURAKAMI CPA OFFICE 見積相談

今持っている暗号資産

含み益のある暗号資産を自分の会社に贈与したり安く売ったりしたら、個人に税金はかかりますか?

最終確認 2026年10月26日更新 2026年10月27日監修 公認会計士・税理士 村上裕一

結論確定(開始後の扱い)

税金がかかります。譲渡所得・事業所得にあたる暗号資産は、時価で売ったものとして個人に課税されます(所得税法59条・40条)。雑所得にあたる暗号資産は、改正後は時価で課税する直接の規定がなくなりますが、自分の会社(同族会社)への移転は、所得税の負担を不当に減らすものとして時価で課税し直されるおそれがあります(所得税法157条)。会社側にも、受け取った暗号資産の時価(低額譲渡なら時価との差額)に法人税がかかります。2027年分までは、所得区分にかかわらず時価を収入に入れます。

理由

分離課税の開始後は、暗号資産の売却による所得が、事業所得・譲渡所得・雑所得のどれにあたるかで扱いが分かれます。会社への贈与や低額での譲渡は国内の登録業者での売却ではないので、分離課税ではなく総合課税の話になります。

その暗号資産の所得区分会社に贈与・低額で譲渡したとき根拠
譲渡所得(投資目的で、営利目的の継続的な売買をしていない)時価で売ったものとみなして課税(低額は時価の2分の1未満)所得税法59条1項
事業所得時価(低額譲渡は実質的な贈与部分)を収入に入れる所得税法40条1項・同法施行令87条
雑所得(営利目的の継続的な売買)時価で課税する直接の規定はないが、自分の会社(同族会社)への移転は所得税法157条で時価課税されるおそれ(改正で施行令87条の対象が事業所得の分に限られた)

いまは(2027年分まで)、所得税法施行令87条がすべての暗号資産を対象にしているため、保有目的にかかわらず、会社への贈与は時価を収入に入れ、低額譲渡は実質的な贈与部分を収入に入れます。改正後はこの対象が事業所得の分に限られるため、雑所得にあたる暗号資産について、時価課税の直接の規定がない状態になります。

注意点

  • 規定がないからといって、無税で会社に移せるとは限りません。同族会社への贈与・低額譲渡は、所得税の負担を不当に減らすものとして税務署に否認されることがあります(所得税法157条)
  • 会社側では、受け取った暗号資産の時価(低額譲渡なら時価との差額)が受贈益として法人税の課税対象になります。ほかの株主に贈与税がかかる場合もあります
  • 所得区分(譲渡所得か雑所得か)の判断は取引の実態によります。法人化を考えている人は、実行前に必ず税理士に相談しましょう

根拠条文

所得税法59条1項

次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。一 贈与(法人に対するもの…に限る。)… 二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)

出典:e-Gov法令検索

譲渡所得の基因となる資産を法人に贈与・低額譲渡すると、時価で売ったものとみなされます。低額は時価の2分の1未満です(所得税法施行令169条)。

所得税法40条1項・所得税法施行令87条(施行令87条は改正後・施行前)

(所得税法施行令87条)法第四十条第一項…に規定する政令で定めるものは、前条に規定する資産、有価証券で事業所得の基因となるもの及び法第二条第一項第十六号(定義)に規定する暗号資産で事業所得の基因となるものとする。

出典:e-Gov法令検索

改正後は、時価を収入に入れる所得税法40条の対象が「事業所得の基因となる暗号資産」に限られます(現行は暗号資産のすべて)。

所得税法157条1項

税務署長は、次に掲げる法人の行為又は計算で、これを容認した場合にはその株主等である居住者…の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、…その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、…計算することができる。

出典:e-Gov法令検索

同族会社を使って所得税の負担を不当に減らすと、税務署に否認されることがあります。

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監修・免責事項

本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。

この記事の執筆・監修者

公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一

大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。

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