結論確定(開始後の扱い)
あります。ほかに所得がなく、課税所得が195万円以下に収まる人は、総合課税なら所得税5%+住民税10%(復興特別所得税等を含めて15.105%)で、分離課税の20.315%より低くなります。分離課税にするかどうかは、国内の登録業者で売るか、海外取引所などで売るかで決まるため、所得の少ない年は総合課税のほうが有利なことがあります。
理由
分離課税の税率は、所得の多さに関係なく一律20.315%です(所得が極めて高い人には、別にミニマムタックスの追加課税があります)。一方、総合課税は所得が少ないほど税率が低くなります。所得税の税率(所得税法89条)に、復興特別所得税・防衛特別所得税(所得税額の2.1%)と住民税10%を加えて比べると、次のとおりです。
| 課税所得 | 総合課税の税率(復興特別所得税等・住民税を含む) | 分離課税 |
|---|---|---|
| 195万円以下の部分 | 15.105%(5%×1.021+10%) | 20.315% |
| 195万円超〜330万円以下の部分 | 20.21%(10%×1.021+10%) | 20.315% |
| 330万円超〜695万円以下の部分 | 30.42%(20%×1.021+10%) | 20.315% |
課税所得が330万円以下の部分では総合課税のほうが同じか低く、330万円を超える部分では分離課税のほうが有利です。
特定暗号資産でも、国内の登録業者で売れば分離課税、海外取引所やDEXで売れば総合課税になります。つまり、どこで売るかで課税のしかたが変わります。
注意点
- 上の表は、暗号資産のほかに所得がない場合の目安です。給与などほかの所得があると、暗号資産の利益は高い税率の部分に乗るため、分離課税が有利になる水準は下がります
- 総合課税では、暗号資産の売却益が譲渡所得になる場合も、50万円の特別控除と2分の1の計算は使えません(50万円控除の質問)
- 分離課税の枠の損失は3年間繰り越せますが、総合課税の暗号資産の損失(雑所得・譲渡所得)は繰り越せません(事業所得の場合を除く)
- 実際に有利かどうかは、所得や取引の内容によって変わります。売る前に、両方のやり方で計算してみるのが良いです
根拠条文
所得税法89条1項
百九十五万円以下の金額 百分の五 百九十五万円を超え三百三十万円以下の金額 百分の十 三百三十万円を超え六百九十五万円以下の金額 百分の二十 …
出典:e-Gov法令検索
総合課税の所得税は、課税所得が増えるほど税率が上がる累進税率です。
租税特別措置法38条の2第1項(改正後・施行前)
…特定暗号資産…の譲渡(…暗号資産取引業者…への売委託により行うもの又は暗号資産取引業者に対するものに限る。…)をした場合には、…他の所得と区分し、…百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。
出典:e-Gov法令検索
分離課税になるのは国内の登録業者で売った場合だけです。海外取引所などで売った分は総合課税になります。
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監修・免責事項
本ページは2026年10月26日時点の法令(所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)による改正後の租税特別措置法・所得税法と同法附則、租税特別措置法施行令・同施行規則の改正(令和8年政令第98号・財務省令第21号)、地方税法の改正(令和8年法律第2号)、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号)。いずれもe-Gov法令検索)に基づき、村上裕一公認会計士事務所が監修しています。施行日を定める政令や国税庁の解説が公表された時点で内容を見直します。個別のご事情により実際の取扱いは異なります。
この記事の執筆・監修者
公認会計士・税理士/村上裕一公認会計士事務所 代表村上 裕一
大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。